済美・安楽智大投手が9回に151km/h記録、138球投げきる

安楽智大, 済美高

 高校野球センバツ大会準々決勝、済美vs県岐阜商の試合では、2年生の安楽智大投手が3試合目の先発とすると、この日は9安打を許したものの、カーブ、スライダーを織り交ぜて3失点に抑え、9回にはこの日最速となる151km/hを記録するなど、底知れぬ力を見せた。

 これで3試合で投げた球数は529球、正直言って肩や肘のケガが恐ろしい。それでも安楽投手は投げた。序盤に3イニング連続で失点するなど、これまで2試合の疲れも見えたが、8回に逆転すると9回には全力を発揮した。9回1アウトから151km/hを記録、その打者から三振を奪うと、138球目も150km/hを記録し内野ゴロに抑えた。

 肩の可動域が広く、そこから腕をしならせて投げられるストレートは天性のものがある。187cmの長身から最速152km/hのストレートを記録する16歳には、既にプロ野球やメジャーリーグのスカウトが注目する。既に日本球界の、アメリカ球界の宝になっていると言える。

 願うのは一つ「ケガをしないで欲しい」という事だ。

 体中のアドレナリンが黙っていなかった。9回2死二、三塁。安楽が投じた138球目の直球は150キロをマーク。遊ゴロに打ち取り、試合を締めた。「最後は、あしたがないくらい腕を振りました」。スーパー2年生が胸を張った。

 

 同じ回の2死、代打・伴野翔大への2球目には151キロをマークした。スピードガンが導入された1980年以降、春夏通じて甲子園2年生最速となる152キロを出した広陵(広島)との2回戦に続き、駒大苫小牧・田中将大、花巻東・大谷翔平が2年時にマークした150キロを超えた。

 

 「スライダーで逃げようかな…」。8回に追いつき、上田恭裕の適時打で勝ち越し。3点リードで迎えた最終回には弱気になりかけたが「バックのみんなから攻めろと言われている気がした」と改心。ベンチで大きく振りかぶるジェスチャーをして勇気づけてくれた、上甲正典監督(65)にも応えた。

 

 済々黌(熊本)との3回戦の初回、右手首にライナーが直撃したが、影響はなかった。3試合を一人で投げ抜き、球数は529球。疲れを感じさせないタフネスぶりだ。

9回に最速151キロ!鉄腕・安楽で済美4強  - スポーツニッポン:2013/4/2

 トップギアに入れた。8回に逆転に成功し、迎えた9回。安楽は全身を包む疲労を吹き飛ばすように、力の限り腕を振った。2死からこの日最速の151キロを計測。そこから二、三塁のピンチを招いたが、138球目の150キロ直球で最後の打者を遊ゴロに仕留めた。

 

 「あしたがないくらいの気持ちで腕を振った」。3月30日の3回戦・済々黌戦(熊本)で打球が右手首を直撃した。中1日のマウンド。腫れは依然残り、リストが利かずにボールにスピンがかからない状態だった。スローカーブで緩急をつけたが、失点を重ねた。2―3で迎えた6回にも1死一、三塁のピンチを招くと、上甲正典監督からの「コントロール中心で投げろ」という伝令が届いた。これで落ち着きを取り戻し、後続2人をいずれもスライダーで連続空振り三振。4点を奪った8回の逆転劇は自身も押し出し四球を選んだ。

 

 3戦連続完投。初戦の232球に始まり、その球数は1週間で529球に達した。その鉄腕ぶりは野球専門雑誌「ベースボール・アメリカ」に取り上げられ「米国では16歳の投手は232球を1カ月でも投げない」と書かれた。それに対し、安楽は「他の高校生もそう。それほど練習してきた。投げすぎだと思わない」と言った。甲子園での連戦を想定して冬場に投げ込んだ自負がある。

 

 準決勝は2日に行われ、今大会初の連投を強いられる。2年生エースの疲労を心配する上甲監督は「肩と肘を見ないといけない」と慎重だったが、安楽は言い切った。「エースというのはどれだけもつれても一人で投げ切る。福井さんもそうだった」。大会前、センバツ初出場初優勝を飾った04年の映像を見た。同じ2年生エースだった福井(現広島)は5試合中4試合で完投し、705球を投げ抜いた。


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