夏の高校野球大会、代表が決まっていないのは、宮城、神奈川、愛知、三重、広島のみとなった。これから甲子園での熱い戦いが始まるが、参加した3957校のほとんどは夏を終えている。
敗れたチームにも素晴らしい選手がたくさんいた。ドラフト候補として注目されながら大学進学を表明した選手も多い。
報徳学園の乾陽平投手は昨年の秋の大会で、東洋大姫路を3安打完封、近畿大会では大阪桐蔭を7回1安打完封、140km/h中盤のストレートは低めに伸び、腕のしなりや下半身のタメも抜群で、広島や阪神、オリックスなどのスカウトは来年の上位候補と太鼓判を押した。
センバツ大会では9回を完投し4安打8奪三振も4失点で敗れた。球速も130km/h台で昨年秋のような躍動感のあるフォームは失われていた印象だった。夏の大会では2回登板したものの1安打6死死球で1アウトも獲ることができなかった。
乾投手は大学進学を表明した。素質は非常に高い選手、じっくりと乾投手と向き合ってくれるような指導者の元で時間をかけて復活と成長を見せて欲しい。
京都翔英・榎本和輝投手も大学進学を表明した。入学すると1年生で夏の大会までに7本塁打を放ち、夏の大会では1試合2本塁打を記録し、投げても138km/hのストレートで将来を大きく期待させた。2年生の夏は肩を痛めたものの秋には履正社戦で延長12回を1失点完投に満塁ホームランを放つなど活躍を見せ、今年のドラフト注目選手となった。
センバツでは初戦で強打でベスト4まで進出した敦賀気比と対戦し、9回9安打6失点、打席でも3打数ノーヒットに終わる。3年生までに球速は140km/h台を記録したものの、プロ入りを決定付けるような姿を見せることはできず、大学進学を表明した。1年生の時に見せた強烈な打撃の印象が強いが榎本選手は大学で「投手として活躍したい」と投手へのこだわりを見せている。これからどんな投手になっていくのか、4年間での成長に注目したい。
広陵・下石涼太選手も投打に注目された選手だった。1年生でリリーフとして登板し、2年生になるとショートやセカンドを守り、高い身体能力を見せ、秋季大会ではホームランを放つと、投手としても岩国商戦で3安打13奪三振で完封勝利を挙げた。そして今年の春、っセンバツ大会初戦で済美・安楽智大投手と延長13回の投げあいを演じ、219球11安打12奪三振で4失点と好投を見せながら敗れた。
内野手としての評価が高かったがチーム事情でエースとしてマウンドに登り、チームに勝ちをもたらした。高い身体能力を持つ選手はチーム事情で二刀流として活躍することがある。しかし評価するほうは一つに絞る事ができず、結果的に平均点と評価してしまう事もあると思う。
もし広陵高校にエースがいて下石選手が遊撃手に専念していたら、東海大甲府の渡辺諒選手くらいの評価を受けていたかもしれないなんて考えてしまう。下石選手も大学進学を表明した。自分のやりたいほうに専念できるチームで、それを磨いて4年後にドラフト1位指名を期待したい。
コメント