社会人野球の都市対抗野球大会近畿地区第2次予選は5日、わかさスタジアム京都で第1代表トーナメント3回戦が行われ、日本生命がYBSホールディングスに2-0で勝利し、第1代表決定戦へ進出した。この試合で、プロ注目の最速151キロ右腕・谷脇弘起投手が7回無失点8奪三振の快投で勝利投手となり、5番・三塁で出場した山田健太内野手(24歳)が4回に決勝の先制ソロ本塁打を放つ活躍を見せた。2年連続の第1代表獲得に王手をかけた。
山田健太選手、値千金の決勝ソロに「プロ入りへラストイヤー」の覚悟示す
この試合を動かしたのは、入社3年目で今季から副主将を務める山田健太選手のバットだった。0-0で迎えた4回1死、フルカウントからの9球目、相手投手の投じたチェンジアップを捉えると、打球は左中間スタンドへ飛び込む先制のソロ本塁打となった。「チェンジアップが良かったので、ゾーンを上げてコンパクトに振ることを考えていました。チームの勝ちにつながったので、良かったです」と、殊勲の一打を振り返った。初戦のニチダイ戦でも三塁打と二塁打を放っており、早くも今予選3本目の長打となり、「邪念を振り払って、シンプルに自分の打撃をする。芯に当てることを心がけている結果です」と好調ぶりをうかがわせた。
大阪桐蔭高校では3度の全国制覇、立教大学では主将を務め2度のベストナインに輝くなど、輝かしい経歴を持つ。大学時代はプロ志望届を提出したものの指名はなかった。昨年の指名は無く社会人3年目となり、念願のプロ入りへ今年がラストイヤーと位置づけると今シーズンに臨んでいる。オフ期間から自宅とグラウンド間のランニングを継続し、全体練習前の自主練習も欠かさない。「3連勝で決めたい。チームの状態はいいので、集中して勝ちにこだわりたい」と、主軸としてチームを都市対抗本戦へ導く覚悟だ。日本生命の梶田茂生監督も「勝負強い」とその打撃を評価している。
谷脇弘起投手、7回無失点8Kの快投「次も投げるつもりで準備する」
先発マウンドに上がった最速151キロ右腕・谷脇弘起投手も、立命館大時代から注目されている投手で、2023年にプロ志望届を提出したものの指名漏れとなっていた。日本生命に入部して2年目となり、チームのエース格となっている。
この日もチームの勝利に大きく貢献した。キレのある直球とカーブを武器に、5回まではYBSホールディングス打線を被安打1、7奪三振、二塁も踏ませない完璧なピッチングを披露。「バッターが振りに来た。危ないと思って変えた」と、6回からはボール先行の投球に切り替え、2死一、三塁のピンチを招いたが、ここを左飛に打ち取り無失点。7回にも1死二塁のピンチを背負ったが、「絶対ゼロに抑える。1イニングを丁寧に」と後続を三ゴロ併殺に仕留め、7回を投げ切りマウンドを降りた。
7回3安打8奪三振無失点、試合後に谷脇投手は「次も投げるつもりで準備する」と、エースとしての自覚を口にし、さらなる活躍を誓った。梶田監督も「YBSさんのピッチャーがいいことは分かっていたので、簡単には点を取れないと。バッテリーあってのゲーム。」と話し、8回に継投した事については「6、7回と谷脇がつかまりかけていたのと、ここ数日の急激な気温の上昇も考慮した」と、エースの力投を称えつつ、継投策の意図を説明した。「あと一つ勝ことが難しいのは嫌というほど経験しているので、とにかく目の前の戦いに集中します」と、第1代表決定戦へ向けて気を引き締めた。
日本生命は8日にわかさスタジアム京都で行われる第1代表決定戦に勝利すれば、3年連続64回目の都市対抗野球大会出場が決まる。対戦相手はNTT西日本に決まった。
谷脇弘起投手 プロフィール
- 氏名:谷脇 弘起(たにわき ひろき)
- 所属:日本生命
- ポジション:投手
- 投打:右投左打
- 主な特徴や実績:最速151キロのストレートとカーブが武器の右腕。2025年都市対抗野球近畿2次予選のYBSホールディングス戦で先発し、7回を投げ被安打1、8奪三振、無失点の好投で勝利投手となる。プロ注目。
山田健太選手 プロフィール
- 氏名:山田 健太(やまだ けんた)
- 所属:日本生命(3年目)
- 出身高校:大阪桐蔭高校
- 出身大学:立教大学
- ポジション:三塁手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:大阪桐蔭高校で3度甲子園優勝、立教大学では主将を務めベストナイン2度受賞。日本生命入社3年目で副主将。2025年都市対抗野球近畿2次予選のYBSホールディングス戦で4回に決勝の先制ソロ本塁打を放つ。プロ入りを目指し「ラストイヤー」と位置付けている。


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