東京六大学野球春季リーグでは最終節の早慶戦が行われ、勝ち点4で首位に立つ慶大が8対1で早大に先勝し、2023年秋以来5季ぶり41度目となるリーグ優勝へ王手をかけた。今秋のドラフト上位候補に挙がる最速151キロエース左腕の渡辺和大投手(4年)が先発すると、初回に先頭打者本塁打を浴びる立ち上がりとなったものの、その後は抜群の安定感を見せて7回3安打8奪三振1失点の快投を披露。リーグ単独トップとなる今季6勝目を挙げ、悲願の完全優勝に向けてエースとしての責務を十二分に果たした。
技術の進化がメンタルを強固に、ツーシームを武器に2回以降は無安打並みの無失点
運命の早慶戦第1戦、慶大の先発マウンドを任されたエース・渡辺和大投手は初回、早大の1番打者・霜結太選手(2年)に左越えの先頭打者本塁打を許した。不意の一発にスタンドはどよめいたが、マウンド上の左腕が動揺することはなかった。「ちょっとストライクを取りに行った感があって球が指にかかっていなかった、打たれて当然と冷静に自身の失投を分析した。その上で、でもこのチームだったら絶対に逆転してくれる、僕はもうこれ以上試合を壊すことは絶対できない」(日刊スポーツ)と気を引き締めるきっかけとなった。
2回以降は別人のような投球を見せ、早大打線に三塁を踏ませることすら許さなかった。今季は今年から復帰した上田誠コーチのアドバイスのもと、投げ急ぐ癖を防ぐための2段モーションを取り入れ、新しい変化球としてツーシームを習得し、130キロ台の早い変化球で東京六大学のバッターを封じている。「打ってみろよ」と強気な投球で変化球を投げ、常にストライク先行のピッチングで圧倒している。
7回3安打8奪三振1失点、大崩れしなくなったエースに対し、堀井哲也監督も、「体力そして制球力が上がった、そこが自信になってのメンタル面の安定、ここが今年一番成長したところ」とエースを称えた。
32年ぶりの「天覧試合」となる大一番、最高の舞台で完全優勝決定を誓う
悲願の賜杯獲得をかけた31日の第2戦は、1994年春の早慶戦以来、実に32年ぶりとなる天皇、皇后両陛下が観戦される「天覧試合」となる。これ以上ない最高の舞台で優勝を決めるチャンスを前に、堀井哲也監督は、「めったにない機会なので本当に感謝しかない、学生野球らしさを前面に出した戦いを早稲田と共にしていきたい」と気持ちを高ぶらせていた。
今季は1戦目を投げきって6勝をマーク、エースとしての重責を全うしたドラフト上位候補の渡辺和大投手は、「ここからの1勝が一番長いのが6大学、明日で決めきるという強い気持ちで勝ちたい」と話した。
【渡辺 和大】 プロフィール
- 氏名:渡辺和大(わたなべ・かずひろ)
- 所属:慶應義塾大学(4年)
- 出身:香川県(高松商業高校出身)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:自己最速151キロ。高松商高時代は3年夏の甲子園でベスト8進出を果たす。慶大進学後は安定した制球力としなやかなフォームから投じるスライダーを武器に投手陣を支える。4年春のリーグ戦前に上田誠コーチの指導のもと、2段モーションへの移行と新球・ツーシームの完全習得を敢行。これが功を奏してストライク先行の投球スタイルが確立され、精神面の抜群の安定に繋がった。今春はリーグ最多の6勝、防御率1.13、54奪三振をマークし投手三冠に肉薄する活躍を見せる、今秋ドラフト上位候補の世代屈指サウスポー。









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