衝撃!北海道日本ハム・大谷翔平選手

選手コラム 北海道日本ハムドラフトニュース 2012年ドラフトニュース

 157km/hの速球で1イニング打者4人に対して14球で抑えた大谷翔平投手、ストレートはスピードが記録された10球のうち、150km/h未満だったのは初球のみ、後は全て150km/hを越えた。157km/hが1球、156km/hが3球と150km/h中盤もらくらく越えた。

 投手に関しては勝ったり抑えたりするために球速は二の次とは思うが、この日は良いだろう。1軍の対外試合初登板でのこの投球には驚いた。先日の教育リーグでの登板は、楽しみながら相手を見下ろして投げていた。1軍ではどうかなと思ったが、自らのけん制のミスにも笑顔を見せるなど、やっぱり楽しんで投げていたみたいだ。

 打席に関しては、やっぱり開くのが早い気がするが、「進塁打を打てればと思っていた」と話しておりその狙いがあるかもしれない。それにしても、初球を見事にライトに引っ張り痛烈なゴロを放ったのは素晴らしかった。打席の雰囲気は19歳ではなかった。

 北海道日本ハム・中田選手は「俺はあんまりピッチャーを凄いとか思わないけど、凄ぇよ、あいつ。久しぶりに鳥肌が立った。ダルさん以来2人目じゃないかな」と話した。自らも高校では投手としても1年生で147km/hを投げ、投打に注目されていた。肘を痛めて打者に専念した経緯がある。中田選手も自分の高校時代と重ねていたのではないだろうか。

 打席で対戦した東北楽天・嶋選手も「直球は最近の中では一番速い。スライダーもダルビッシュのようにブレーキがかかっていた」とダルビッシュ投手クラスの選手と認めていた。

 栗山監督も「入団までの経緯を思って、本当に良かった」と話した。この日はスカウト総会のため兵庫にいた山田GM、大渕スカウトディレクターも喜んだことだろう。4度の入団交渉でメジャー志望だった大谷選手を日本球界に取り戻した。それにより二刀流という新たなチャレンジがスタートし夢が膨らんだ。本当に感謝したい。

 陸上の100mでは10秒台の壁を一人が破ると、続々と9秒台を出す選手が現れた。スポーツでは一人が壁を壊すと、他の選手も一気にその壁を越えてくることがある。大谷選手はそういう選手なのではないかと思う。

  パ・リーグでは聞き慣れないコールが、大歓声にかき消された。「3番・ピッチャー大谷」。8回。「緊張したけど、しっかり投げることしか考えていなかった」と大谷は表情を引き締めてマウンドに向かった。

 右腕を振り抜くたびにどよめきが起こった。先頭のマギーを3球三振に切り、ギアをトップに入れ替えた。続く森山への初球、外角低め直球でファウル。「しっかり力強く腕が振れて良かった」。プロ最速の157キロをマークした。花巻東高時代に記録した自己最速160キロには3キロ届かなかったが、背番号11の先輩・ダルビッシュ(現レンジャーズ)の日本最速156キロを上回った。全14球のうち9球で150キロ超えを計時した。

 森山に左前打、けん制悪送球と暴投で、2死三塁のピンチも、最後は鉄平を捕邪飛に仕留めた。直球とスライダーのみで2三振を奪い、1回無失点。「初めての対戦だったので、次が大事です。イニングを重ねて目が慣れてきた時に、抑えられるようにしたい」と新人離れした冷静さを見せた。

 これだけでは終わらない。ベンチに戻るとハイタッチもそこそこに、慌ただしく打者の準備をしてネクストバッターズサークルに向かった。試合前は投手の調整に専念したためフリー打撃は行っておらず、ぶっつけ本番の打席。無死二塁から小山伸の初球を叩いた。小斉の美技に阻まれ一ゴロに終わったが、打者としても可能性を感じさせる痛烈な打球で「抜けてくれれば良かったけど、進塁打で最低限のことはできた」と振り返った。

 

 右翼の守備に入った9回は打球が飛んで来なかったが、投げて、打って、守ってと充実の一日。試合前には「緊張してるか?」と心配して声を掛けてくれた阿井ヘッドコーチに「緊張はして…ません」と答え、周囲を笑わせるなど強心臓なところも頼もしい。試合後も「自分よりレベルの高いところでやれているし凄く楽しい」と笑った。投打で能力を示し開幕1軍へ大きく近づいたのは間違いない。今後は23日と24日のヤクルト戦(札幌ドーム)に野手として出場。その後は一度1軍を離れ、26日からのイースタン・リーグ、西武との3連戦(鎌ケ谷)で再び二刀流に挑む予定だ。

  「俺はあんまりピッチャーを凄いとか思わないけど、凄ぇよ、あいつ。久しぶりに鳥肌が立った。ダルさん(ダルビッシュ)以来2人目じゃないかな」。入団1、2年目。ベンチから見たダルビッシュの剛球に度肝を抜かれて以来の衝撃を、大谷の投球に感じた。

 

 投球だけでなく、マウンドでの立ち居振る舞いにも感心した。打席、守備の時と比べて「目つきが変わる。あれはピッチャーやね。格好良く見えた」とべた褒め。となるとアーチストの闘志が燃えないわけがない。「打席に立って勝負したいよね。あんなに凄いピッチャーなかなかおらんから」と味方にもかかわらず対戦を熱望した。

 

 他のナインも一様に驚いた様子だ。投球を受けた大野は「ブルペンとは違う。スピードガン通りの球。手の痛さが他の投手とは違う」と振り返った。稲葉は投球直後に回ってきた打席で初球を芯で捉えたことに「凄いとしか言いようがない。打撃練習をしていないのに、初球であのボールを捉えるのに驚いたよ」と感心しきりだ。味方ベンチまで驚がくさせた二刀流デビュー戦。「あいつはやると思うよ俺は。これで優勝できちゃうね」。いつになく雄弁で興奮気味の中田の口調こそが、大谷の凄さの証明だった。

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