高校野球宮城大会では仙台育英vs古川工の決勝戦が行われ、仙台育英が13-0と圧勝し甲子園出場を決めた。エースの佐藤世那投手が復活の登板を見せた。
前日1アウトも取れずに降板
仙台育英・佐藤世那投手は最速144km/hの速球にフォークボールを投げ、昨年秋は明治神宮大会で優勝、センバツでも敦賀気比を相手に好投を見せている。世代のトップを走る投手として注目されていた。
しかし、センバツ後はピリッとした投球が見せられず、前日の準決勝・石巻戦では、初回にノーアウト満塁のピンチを背負い四球で押し出しをするなど、1アウトも取れずに降板し、佐々木監督も佐藤投手を抜きで戦う覚悟を話していた。それでも佐々木監督は決勝前日のミーティングで、「明日の先発だけど、みんなで世那を立ち直らせたほうがいいと思っているんだ。秋は一人で助けてもらった。最後は世那で負けてもいいじゃないか」と選手に投げかけ、佐藤投手の先発を決めていた。
佐藤投手を先発に送り出すと佐藤投手がそれに応え、最速143km/hの速球などで8回を投げて10奪三振で無失点に抑え、また自らのバットで満塁ホームランを放って甲子園出場を手にした。
スカウトも期待
この日は中日、福岡ソフトバンクなどのスカウトが視察をし、福岡ソフトバンク・作山和英スカウトは、「コントロールもだいぶ修正してきた。ベストな状態で投げているのを甲子園で見たい」と話した。
また、中日の山本将道スカウトも「いい時を知っていて期待が大きいだけに、まだまだかなと思う。もっといいボールは来る。」と高い期待を寄せていた。
昨秋の明治神宮大会では全3試合を一人で投げ切り、日本一に。全国に名をとどろかせた右腕も、今夏は不調にあえいでいた。先発した準々決勝では2回6安打2失点で降板。準決勝では1死も取れず、2安打3失点でKOされた。昨秋に痛めた右肘を無意識にかばい「フォームがバラバラ。ボールも走っていない」とスランプに陥った。
決勝前日のミーティング。佐々木順一朗監督(55)は、選手たちへ問いかけた。「明日の先発だけど、『みんなで世那を立ち直らせたほうがいい』と7割は思っているんだ。秋は一人で助けてもらった。最後は世那で負けてもいいじゃないか」。選手たちは即答した。「そうですね。世那でいきましょう!」
ソフトバンク・作山和英スカウト コントロールもだいぶ修正してきた。ベストな状態で投げているのを甲子園で見たい。
中日・山本将道スカウト いい時を知っていて期待が大きいだけに、まだまだかなと思う。もっといいボールは来る。
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