東北楽天・松井裕樹投手が5回2安打4奪三振、開幕投手の可能性も

松井裕樹

 東北楽天の松井裕樹投手がオープン戦に3度目の先発、オリックスを相手に5回無失点、2安打4奪三振2四球という好投を見せた。高校時代からの課題と素晴らしさを見せ、プロでも開幕ローテション入りを確実にした。

 

課題とすばらしさ

 松井投手の課題といえば、ランナーを出してからの投球で、足を大きく上げて体の反動で投げるようなフォームのため、足を上げればランナーに盗塁を狙われ、足を上げるのを小さくするとやや球威が落ちるというところがあった。またそれを気にしすぎて制球を乱す事もあった。

 昨日の試合でも初回にヒットなどで2塁に進んだヘルマン選手が3盗を決めたが、足を大きく上げて投げたフォームで盗塁を許した。また5回には死球で出塁を許すとヒットを打たれたあとにストレートの四球を与えてしまう。18Uの台湾戦やアメリカ戦でも同じように四球を与えてランナーを背負う場面が多く見られた。

 しかし、ここからが松井投手の素晴らしい所で、18Uでもランナーを溜めてから、思い切り良くストライクを投げて抑えていた。この日も2アウト満塁からヘルマン選手を打ち取った。ランナーに走られない状態(初回、5回ともランナーがサードにいる状態)になると、ランナーがいない時のようなピッチングができる。

 もう一つは一塁への牽制が素晴らしいということで、ランナーを出しても1塁にいるだけではなかなか走りにくい。松井投手にとっては、1塁ランナーには牽制でストップさせ、2塁より先にいかれたらバッターに思い切り投げる、というスタイルとなりそうだ。

 

開幕ローテも上の方

 巨人戦で2回ノーヒット2奪三振、千葉ロッテ戦で5回4安打6奪三振、この日は5回2安打4奪三振で全て無失点。12回6安打12奪三振3四死球無失点という成績で、開幕ローテ確実となった。前回の登板で「オープン戦のうちに失点を」と思っていた星野監督の期待を裏切り、見事に無失点を続けている。星野監督は「入ってくるわな。それも上の方で」とローテ入りを明言し、開幕投手についても「今日みたいなピッチングをすると、冗談じゃなくなってくる」と話した。

 170cm前半の身長や、3年時にあまり活躍ができなかった事など、ドラフト前もプロ入り後もいろいろな評価があった。しかしドラフト会議では5球団が1位指名してNO1だった事を証明し、オープン戦で3試合無失点という結果を残して実力を証明した。ファンの不安を自らの力で全て取り除いていく松井投手、次に何をやってくれるのだろう。

 

 ゼロに抑えたい一心で、松井裕がギアチェンジした。

 5回2死満塁。初回、先頭で左中間二塁打を許しているヘルマンに対して、初球から連続ストライクで1ボール2ストライクと追い込み、最後は外角いっぱい、142キロの直球で二ゴロに仕留めた。ベンチに戻る全力疾走が手応えの証しだ。2死走者なしから四死球と安打で招いたピンチ。「ボール自体は悪くなかったので、四球を出してしまったけれど切り替えて、ヘルマンさんを全力で打ち取りに行った」。強気でオープン戦打率3割8厘の助っ人を仕留めた。

 プロ初失点をことごとく防いだ。初回、ヘルマンに三盗を許して1死三塁とされたが、T―岡田を二ゴロに、4番・竹原は初球、136キロの直球で二飛に打ち取った。同じストレートでも最速(145キロ)と10キロ近い球速差をつけ、オリックス打線を翻弄した。

 自身の卒業式や都内で行われた12球団の新人研修会のため3日間チームを離れたが、なんの問題もなかった。直球は自己最速にあと2キロの147キロを計測。指揮官は「仕上がっているというと大人の扱いだけど、それぐらいのレベル。想像以上」と脱帽した。

  4三振を奪い、オリックス・西と並ぶオープン戦トップの12奪三振。この日最速の145キロ直球や鋭く縦に落ちるスライダーの威力を証言したのは、投げ合ったパを代表するエース金子だった。右腕の金子はプレート板の一塁側を踏んで投げるため、踏み出した左足の跡が、左投手の右足と重なることが多く、この日は松井裕と同じだった。

 「マウンド上が結構荒れていたのでまだバラツキがあるけど、深く掘れていたので力強さを感じた」と金子。昨季、200奪三振でタイトルを獲得し、田中にタイトルを独占させなかった男は脅威に感じたことだろう。一昨年夏の甲子園で22奪三振の大会記録を樹立した怪物左腕に対してだ。

 星野監督は「入ってくるわな。それも上の方で」と開幕ローテーション入りを明言。さらに、開幕投手の座にも「あの投球なら(文句の)言いようもない。冗談ではなくなってくる」と言った。


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