東京スポニチ大会ではSUBARUがNTT西日本に1-0で勝利した。東洋大で上茶谷大河投手、甲斐野央投手、梅津晃大投手がいる中で控え投手だった阿部博光投手が、7回無失点の好投を見せた。
高校・大学と強力投手陣に囲まれ
阿部博光投手は173cm67kgの左腕投手で、佐久長聖高校では寺沢星耶投手(上武大-東邦ガス)、両角優投手(立教大)といった強力投手がいる中で急成長をして3番目の投手となっていた。
そして進んだ東洋大では、同学年に上茶谷大河投手、甲斐野央投手、梅津晃大投手がいた。体の大きさや球速ではかなわなず、登板機会も4年春に3イニングを投げただけだったが、「あの3人はスピードだったんで、自分は制球を磨いてきた。」と制球を磨き続けた。
そしてSUBARUに進んだ今年、社会人デビューの大会となるスポニチ大会で、決勝トーナメント進出のかかった3戦目の先発に抜擢されると、NTT西日本打線を7回3安打無失点に抑える好投を見せ、大きな役割を果たした。阿部投手は「3人以外にもいいヤツがいるんだ、ということを示せてよかったです」と話し、4年間磨き続けた制球力を存分にみせつけ、東洋大の控えにも良い投手がいたことをアピールした。
この日の球速は140キロ、スクリューボールなど沈む球が良く、社会人打者に的を絞らせなかった。ドラフト候補となるには、やはり球威がもう少し欲しいが、社会人野球でエースとして長年投げ続けられる投手は、このように変化球をしっかりと使えて、制球の良い投手が多い。沈むボールの切れを磨けば、10年表彰を受けるエース投手になりそうだ。
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公式戦先発は長野・佐久長聖3年春以来5年ぶり。東洋大時代はソフトバンクにドラフト1位で入団した甲斐野、DeNA同1位の上茶谷、中日同2位の梅津の陰に隠れ、東都大学リーグ戦の登板は4年春の中継ぎ1試合だけに終わった。「同級生に3人凄いのがいて、目指すとか争うとかは厳しかった。でも、その陰でもいい投手がいたと示したかった。スピードではなく切れ、制球力を磨いた成果」。今でも3人とは連絡を取るが、意地はある。日陰の4年間は無駄ではなかった。
阿部は「あの3人はスピード(が武器)だったんで、自分は制球を磨いてきた。3人以外にもいいヤツがいるんだ、ということを示せてよかったです」。初登板が初勝利となり、決勝トーナメント進出も決めて、満足そうに振り返っていた。
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