創価大は上武大に敗れ、明治神宮大会出場を逃した。しかし、田中正義投手がまた伝説的な投球を見せてくれた。
バットに当たらない
創価大は先発した今年のドラフト候補・小松貴志投手が5回に3失点し、なおも1アウト3塁の場面で田中正義投手が登板する。田中投手は最初の打者に死球を与えてピンチをひろげたもののの、そこから5者連続三振、その後も151キロの速球と高速フォークで4回2/3で打者16人から11三振を奪う快投を見せた。
上武大の谷口監督は「対策を練ってきたけど何もできなかった。バットに当たらない」と話し、ストレートと分かっていても空振りし、そこにフォークボールが来たら何もできなかった。特にこれまでは苦手とされていた変化球もこの日は抜群で、130キロ後半で沈むボールはストライクも取れ、空振りも奪えた。
もう、打たれない投手になった。
9球団スカウト視察
この日は9球団のスカウトが視察している。
巨人・藤本スカウト:「連投でも全く問題ない。もし抑えをやれば10年間は大魔神。」
北海道日本ハム・山田スカウト顧問:「野茂、小池を超えるかも」
北海道日本ハム・今成スカウト:「角度が外国人見たい。プロにもなかなかいない」
この他にも阪神などのスカウトが視察をしている。スポーツ報知は1面でこの田中投手のピッチングを報じ、あるスカウトは「12球団1位でも納得できる。くじに外れてもまた初めからやり直しみたいに」と話し、過去最多の8球団を上回る指名重複の可能性も示した。
冬に進化
田中正義投手の今年の公式戦はこれで終わった。正直いってもうこのままでも、先発すれば10勝は固いし、リリーフでは今年の山崎康晃投手以上の絶対的なリリーフとなる。来年1年間は故障だけが気がかりだ。
その田中投手だが「まだ完成度に遠い」と変化球の精度を課題に挙げ、「真っすぐと同じ腕の振りで投げたい」と冬に変化球を磨くことを目標とした。「もしかしたら変化球投手になるかも」と話した田中投手、この日のピッチングで変化球にかなりの手ごたえを感じたのだろう。
田中投手こそ10年に1度、20年に1度の投手といっても過言ではない、本物の怪物といえる。
前日の2回戦で1失点完投し、151球投げたために救援待機。先発の小松が3点を失った5回途中からマウンドへ向かった。昨春の全日本大学選手権以来となる2日連続登板。「疲れはあったけれど、もう1点もやれない」と最速151キロを叩き出し、5者連続を含む11奪三振と圧巻の投球を見せた。制球を気にしすぎて球数が増えた前日の反省を生かし「もっと腕を振ることを意識した」と振り返った。
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