法政大のドラフト候補・三浦銀二投手が、注目の中で今季初先発をしたが、4回5失点と本来の力を出すことはできなかった。
145キロ
法政大は8月の後半に新型コロナのクラスターが発生し、秋季リーグ戦の参加も危ぶまれた。しかし、東京六大学リーグが開幕を1週間遅らせ、そして法政大のカードの初戦をこの日の10月9日に組んでいた。
大学2年までにリーグ8勝を挙げ、ここまで通算10勝を挙げているエースの三浦銀二投手が、この日の1回戦に先発をした。最速は151キロを記録するがこの日は最速で145キロ、多くが140キロ前後と本来のストレートには及ばなかった。
スライダーなど得意の変化球を使って抑えようとしたものの、その変化球も甘い所に行き、立教大打線に4回9安打5失点を打ち込まれ降板した。
予想以上に厳しい内容だった。9月25日に活動が再開するまで、それぞれが部屋で隔離され、加藤監督は「隔離で体力は衰えるし、選手たちの精神面の心配もありました。お菓子を差し入れたりして。会ったときは細くなってました」と話す。活動が再開してからも実戦は紅白戦を1試合行ったのみで、チーム全体でも連係、走塁、そしてボークなどのミスが目立った。
本来の力の半分も出せなかったと見られる三浦投手だったが、試合後には「他大学の皆さまに感謝しかありません。コンディションは良くなかったですが、言い訳にするつもりはありません。打たれたのは実力不足です」と話し、「まだ1試合目、負けただけ。もちろん、優勝したいです」と話した。
それでも視察した福岡ソフトバンクの宮田スカウトは、「開幕前に打者相手に全然投げていないわけだからね。その中でも変化球をうまく使って、打者を見ながら投げられていたと思う。」と評価した。
これまでの実力で言えば、ドラフト上位指名されてもおかしくなかった。昨日の内容ではドラフト指名も厳しいが、高校、大学での実績があり、これから体を作り直してゆけば、それくらいの投球ができると判断できる。
ドラフト会議では2014年に、大学4年時の状態の良くなかった中央大・島袋洋奨投手を、福岡ソフトバンクが5位で指名し、また昨年も、腕のコンディション不良で状態の良くなかった東洋大・村上頌樹投手を阪神が5位で指名、村上投手はファームで17試合84.2回を投げ、ファーム日本一にも貢献した。
三浦投手もドラフト4位前後で指名されると見られる。
ソフトバンク・宮田善久スカウト(三浦は)開幕前に打者相手に全然投げていないわけだからね。その中でも変化球をうまく使って、打者を見ながら投げられていたと思う。
投内連係やボーク、暴投、走塁死などミスが続出。本来なら17試合ほど予定していた夏季オープン戦は、8月後半に感染者が出て活動が止まったため、5試合しか消化できなかった。9月25日に活動再開してからは、紅白戦を1試合やったのみ。実戦感覚は戻っていない。
加藤監督は「隔離で体力は衰えるし、選手たちの精神面の心配もありました。お菓子を差し入れたりして。会ったときは…細くなってました」と話したところで言葉に詰まり、涙をこぼした。
コメント