明治大の宗山塁選手が帰ってきた。4月29日の早大戦いらいとなる東京六大学の舞台で、決勝のソロホームランを放ち、10球団のスカウトに大きくアピールをした。
一発回答
この日の宗山塁選手は、東大のアンダーハンドピッチャー・渡辺向輝投手の前に死球、ショートフライ、セカンドゴロと3打数目までヒットが出ず、明治大自体も8回まで4安打無失点に抑えられていた。
しかし、この重苦しい空気を振り払ったのが宗山選手だった。9回1アウトランナー無しの場面で「何とかするしかないという思いで打席に立った」と打席入ると、渡辺投手から交代した平田投手の、カウント3-1からの137キロのストレートを捉えて、打球はライトスタンドに飛び込んだ。「まだまだだが、一本出たのはよかった」と話した。
この一発を皮切りに打線に火が付き、この回に10安打10点を奪って終わってみれば10-0で勝利したが、宗山選手の一発が発火点となった。
宗山選手は4月29日の早大戦そ最後に、右手中指の故障により離脱をしていたが、この日はその日からの復活と共に、2022年10月30日以来の東京六大学でのホームランとなり、2年時の強烈な宗山選手が帰ってきた。故障期間の間に体力・体幹の強化や俊敏性を高めるメニューをこなし、「力強さと、自分の体を扱うことのうまさは、さらに上達したと思う」と話した。
この日は10球団のスカウトが視察し、
広島・苑田スカウト統括部長:「こういう場面で打てるのはすごい。打撃は自然体に構えて軸がブレない。守備は基本がしっかりしていてすぐ1軍で使える。間違いない。1位競合でしょう」
埼玉西武・秋元スカウト育成統括ディレクター:「100点の答えを出してくれた。あの場面で意外と難しいカウントなのに大振りせず。素晴らしいの一言。三拍子そろっていて、守備の所作も良い。1位は間違いない、当然」
横浜DeNA・木塚スカウト:「一振りで球場の雰囲気を変えた。走攻守どの部門もハイレベル。トップクラスの選手」
千葉ロッテ・福沢スカウトは「間違いないでしょう。ケガの前よりスケールアップしているのが凄い」
オリックス・岡崎スカウト:「素晴らしい当たりだった。一発で仕留めて、いいところで打った」
東北楽天・沖原スカウト:「初戦の緊迫した場面で一発が出るのはすごい。さすが」
と評価し、ドラフトの超目玉が復帰初戦でホームランという回答を高く評価した。
これで宗山選手について、球団内のスカウト会議で否定的な意見を言う人はほぼいなくなっただろう。後は各球団の補強ポイントの優先度と共に、競合をするか避けるか、宗山選手を1位しない理由はそのポイントしかなくなった。
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