東都大学リーグは中央大が昨秋王者の日本大に先勝、プロ注目の152キロ右腕・鍬原拓也投手が4安打10奪三振で完封した。視察した12球団スカウトからは絶賛の声が挙がった。
エース
鍬原拓也投手は身長は175cmと小柄だが、最速152キロを投げる右腕として注目されており、2年生の秋に1勝を挙げると、昨年は春1勝、秋3勝と成長カーブを描いていた。昨年秋は国学院大とのカードでは先発して1/3回で4失点し降板する試合もあったが、春の王者・亜細亜大戦では1戦目と3戦目に先発しともに完投勝利すると、最終戦の専大戦でも9回5安打10奪三振1失点と好投しチームの一部残留に貢献した。
この冬は体重を7kg増やして78kgとして成長を見せシーズンに臨むと、初戦となるこの日、最速151キロを記録したストレートと、千葉ロッテの石川歩投手や福岡ソフトバンクの摂津投手の動画をみて研究したというシンカーのキレ味も鋭く、日大打線を4安打に抑え10三振を奪った。
「完封できるとは思わなかった。野手がたくさん点を取ってくれたおかげ」と話す。5つの四死球を与えるなど制球の課題は少し残るものの、ストレートは強く、変化球も使え、完成度の高い安心して見ていられるエースへと成長した。
12球団スカウト視察
この日は12球団のスカウトが視察し、鍬原投手の投球について高い評価をしている。
東京ヤクルト・小川シニアディレクター:「変化球も腕が振れていて、真っすぐも速いし、いいボールを投げていた。すごくいい投手。楽しみ」
広島・苑田聡彦スカウト統括部長:「則本みたい」
中日・中田宗男スカウト部長:「球自体は文句なし。前でボールをたたけるし威力がある。今日の投球なら、このままでもプロで戦力になれる。上位候補になる。常時低めに集められたら1位候補」
福岡ソフトバンク・小川編成・育成部長:「真っすぐも強いし、変化球も使える。楽しみですね」
巨人・柏田スカウト:「春の1戦目としては十分」
今年の先発型即戦力右腕の中ではトップに躍り出たかもしれない高評価で、ドラフト1位へ突き進む。中央大も昨年は春6位、秋5位で、近年は最下位を争ってきたが、エースの誕生で今年は優勝を狙える。再任された清水監督の野球が帰ってきた。
必殺球のシンカーは「カウントによって握りを変えている。ロッテの石川さんやソフトバンクの摂津さんの動画を見て研究した」と変幻自在。最後まで打者に的を絞らせず、10三振を奪った。9回には右ふくらはぎがつったが耐えた。ネット裏では12球団のスカウトが視察。広島の苑田聡彦スカウト統括部長は「(楽天)則本みたい」、中日の中田宗男スカウト部長は「このままいけば上位候補になる」と評価した。
中日・中田スカウト部長は「球自体は文句なし。今日の投球なら、このままでもプロで戦力になれる」と称賛した。
昨年まで球速を求めて自滅することが多かったが「勝手に出た」と、三回には自己最速へ1キロに迫る151キロをマーク。場面に応じて握りを変えるシンカーとの組み立てで10三振を奪った。中大の先輩でもある、ヤクルト・小川シニアディレクターは「変化球も腕が振れていて、スピードもある。すごくいい投手。楽しみ」と高く評価した。
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