今秋に台湾で開催予定の「BFA U18アジア野球選手権」に向けた高校日本代表候補の強化合宿が4日、奈良県内で2日目を迎えた。参加41選手のうち、今春の選抜大会に出場していない「不出場組」から驚愕のパフォーマンスが相次いだ。中京(岐阜)の鈴木悠悟投手(3年)が二刀流で3奪三振&2安打をマークすれば、高岡第一(富山)の最速150キロ左腕、前田侑大投手(3年)の球威にはネット裏のスカウト陣からどよめきが起きた。一方、市和歌山の丹羽涼介投手(3年)は、来週の県大会で激突する宿敵・智弁和歌山の主砲を三振に仕留め、世代トップレベルのサバイバルはさらに熱を帯びている。
市和歌山・丹羽涼介が「由伸流」で宿敵・山田をK斬り!12日の前哨戦を制す
実戦形式のシート打撃で、ひと際大きな注目を集めたのが「和歌山対決」だ。マウンドに上がった市和歌山のエース、丹羽涼介投手の前に立ったのは、智弁和歌山の強肩強打の捕手・山田凛虎選手(3年)。両校は12日の春季和歌山県大会1回戦での対戦が決まっており、負ければ夏はノーシードとなる負けられない相手だが、この究極の前哨戦は、丹羽投手がフォークで山田選手を空振り三振に仕留め、軍配を上げた。
丹羽投手は「あんまり見せたくなかった(笑)けど、アピールの場なんでしっかりやりました。甲子園に行けるのは夏しかない。しっかり準備していきたい。」と話した。
ドジャース・山本由伸投手の投球フォームを取り入れ、やり投げのトレーニングも導入した。「スピード以上に速いボールを投げられている(デイリースポーツ)」という手応え通り、打者7人に対して安打性はゼロ。合宿で距離を縮めたライバルに対し、「打撃センスもいいし、キャッチングもめっちゃうまい(スポーツ報知)」と敬意を払いつつも、夏への戦いへ挑戦状を叩きつけた。
中京・鈴木悠悟投手が「投打二刀流」で猛アピール!3奪三振&2安打の衝撃
甲子園未経験ながら、そのポテンシャルの高さで「ジャパン入り」を確信させたのが中京の鈴木悠悟選手だ。最速147キロを誇る右腕としてシート打撃に登板すると、打者7人に対して3奪三振、被安打2の好投。スカウトのスピードガンで144キロを計測した直球と、鋭いスプリットで並み居る好打者を圧倒した。さらに打者としても2安打を放つなど、類稀な野球センスを見せつけた。
鈴木投手は「いい打者との対戦を楽しみにしていた。この冬に鍛えてきた直球で押すことができた。いい直球が投げられたのかなと思います。絶対に高校代表に入って、目標であるプロ入りをかなえたいです(スポーツニッポン)。」と話し、岡田龍生監督(64=東洋大姫路)も「いい投球だったし(投打)両方できるのはありがたい(スポーツニッポン)」と、球数制限のある国際大会において鈴木投手のような「二刀流」が極めて重要な戦力になると評価した。
福岡ソフトバンク・古沢勝吾スカウト:「リリースが安定しているから調子に波がなく、結果も安定している」
と評価し、その実戦力の高さを称賛した。
スカウト陣がざわついた「富山の新怪物」。高岡第一・前田侑大が150キロ到達
シート打撃での投球でスカウトを驚かせたのが、高岡第一の前田侑大投手だ。173センチ、70キロと細身の体躯ながら、放たれるボールは抜群のキレがあり、横浜の池田聖摩選手(3年)ら甲子園のヒーローたちから4者連続を含む三振を奪い、自己最速を更新する150キロをマーク。スカウト陣の間では「こんな投手がいたとは…(日刊スポーツ)」と驚きの声が広がった。
前田投手は「甲子園に行った選手に負けないくらいのピッチングをする、という気持ちで、しっかり投げられていたので良かったです。しっかりキレのあるまっすぐを投げ込めました。どんな場面でも、しっかり全力で腕を振る。それが自分の持ち味だと思っているので、そこをしっかりアピールしていきたいです。」と話した。
高校入学前は130キロに届かなかったという左腕が、名門を率いた村本忠秀監督の指導のもと、全国トップレベルへと駆け上がった。コースへの投げ分けを課題に挙げつつも、その圧倒的な「腕の振り」は、アジア選手権を目指す高校JAPANの切り札となる可能性を十分に秘めている。
全国の「原石」が揃った3日間。5日に代表入りを懸けた最終テスト
合宿は5日までの3日間で行われる。選抜優勝の大阪桐蔭・川本晴大投手ら2年生の台頭、沖縄尚学・末吉良丞投手の貫禄の投球、そして今回台頭した鈴木悠悟投手や前田侑大投手といった「不出場組」の猛追。岡田監督が「投手陣のレベルが高い(日刊スポーツ)」と唸るように、2026年世代の層の厚さは例年を凌駕している。それぞれの課題を胸に、若武者たちは秋の台湾、そして自らの夢であるプロの世界へと、全力で腕を振り続ける。
【丹羽 涼介】 プロフィール
- 氏名: 丹羽涼介(にわ・りょうすけ)
- 所属: 市立和歌山高校(3年)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 183cm、76kg
- 主な特徴や実績: 最速151キロの本格派右腕。昨春のセンバツで甲子園デビュー。今オフ、ドジャース・山本由伸を参考にした新フォームと、やり投げトレーニングで球威が向上。U18合宿では宿敵・智弁和歌山の山田凜虎をフォークで三振に仕留めた。
【鈴木 悠悟】 プロフィール
- 氏名: 鈴木悠悟(すずき・ゆうご)
- 所属: 中京高校(3年)
- ポジション: 投手、内野手(遊撃手)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 177cm、73kg
- 主な特徴や実績: 最速147キロの直球とキレのあるスライダー、スプリットを操る「二刀流」。中京では2年春から背番号1。U18合宿のシート打撃で3K&2安打を記録。安定したリリースがプロスカウトから高く評価される。
【前田 侑大】 プロフィール
- 氏名: 前田侑大(まえだ・ゆうだい)
- 所属: 高岡第一高校(3年)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 173cm、70kg
- 主な特徴や実績: 富山県屈指の快速左腕。合宿で自己最速150キロを計測し、横浜・池田聖摩らから4三振を奪う快投。細身ながら全身を使った躍動感あふれるフォームが武器。全国区の無名校から一躍ドラフト候補へ浮上した。













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