田澤ルール撤廃、今秋ドラフトで田澤純一投手指名も

2020年ドラフトニュース

ドラフト指名対象のアマチュア選手が、NPBの球団でプレーせずに直接海外の球団でプレーした場合、その選手が帰国しても高校卒3年、大学卒2年は指名出来ないという、通称・田澤ルールが撤廃された。

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ルール撤廃

田澤純一投手は、横浜商大高校から新日本石油に進み、140キロ後半の速球と鋭い変化球を投げる投手として注目され、2008ねんの都市対抗野球ではMVPに当たる橋戸賞を獲得、複数の日本のプロ球団がドラフト上位候補として注目していた。

しかし、その年の9月にメジャーリーグ挑戦の意思を表明し、12球団にドラフト会議での指名を見送るように要請したことから、当時、メジャーリーグへの有力選手の流出が大きく懸念されていた事から、上記のようなルールが作られた。

あれから12年が過ぎ、田澤投手はメジャーリーグで主にリリーフとして388試合に登板して結果を残したものの、2018ねんにはエンジェルスを解雇され、日本に帰国したものの、このルールがあった事もありドラフト会議では指名することができず、今年BCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団していた。

この日行われたNPBの実行委員会では、この田澤ルールが話し合われ、いとも簡単に撤廃が決まった。会議後に井原事務局長は「当時は対MLBというところが大きかった。日本の野球を守ろうと。それが数年間で環境も大きく変わった」と話した。

NPBの球団が選手のメジャー移籍を容認し、応援する傾向も強くなってきた。また有力高校生もまずは日本の球団に入って十分な環境で育成を受け、結果を残してからメジャーリーグへ移籍するという流れもできつつある。大谷翔平選手は2013年に入団し5年間プレーしてメジャーへ移籍、23歳で渡米している。

このように球界の雰囲気が変わったこともあるが、2019年に、公正取引委員会がスポーツ選手の移籍に関してリーグやチーム側が制限をかける事が独占禁止法違反の可能性があると指摘したことから、陸上・ラグビーなどで移籍制限の撤廃が行われていた。

田澤ルール適用選手は?

このルールで影響を受けたのは沼田拓巳投手か。社会人野球のエディオン愛工大OB BLITZから2013年にドジャースのマイナーと契約をしたことでこのルールが適用され、2015年にアメリカ独立リーグを解雇後にBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに入団した。

NPB入りを望んでいたものの、このルールにより2015年、2016年もドラフト会議で指名されず、2017年に石川ミリオンスターズに移籍後、ようやくドラフト8位で東京ヤクルトに指名された。2年間で自由契約となり、現在は琉球ブルーオーシャンズに所属している。

また、もう一人注目したい選手がいる。パナソニックでプレーし、2018年の8月にダイヤモンドバックスと契約をした吉川峻平投手だ。ルールでは「ドラフト前にNPB球団の指名を拒否した選手」とあり、このルールが適用されるかどうかは微妙ではあるが、沼田投手と同様に帰国後2年間はNPBドラフトで指名されなかった可能性もある。

ちなみに、沼田投手、吉川投手とも、社会人野球を管轄する日本野球機構へのルール違反により、社会人チームへの復帰はできない。

田澤投手の指名は

田澤投手はルールが撤廃された事に、「ルールの撤廃を決めていただいたこと本当に嬉しく思っています」と話し、「今後、自分を必要としてくれる球団がありましたら、NPBの舞台でもプレーできたらと思っています。そのためにも今は、埼玉武蔵ヒートベアーズで精一杯投げたいと思います。引き続き応援よろしくお願いします」とコメントをし、NPB復帰を希望した。

中日の加藤球団代表は、田澤投手について、「白紙です。他の候補選手との兼ね合いや、チーム事情を考えて判断したい」と話す。まだ150キロの球を投げるものの、34歳となったリリーバーを指名する球団があるかが注目される。また、前述の吉川投手の状況を調査し、指名を模索する球団も出てくるかもしれない。

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コメント

  1. 僕はこのルールについては無用な移籍制限以上に「誰が対象になるのか」ということすら定まっていない
    ルールの体を成していないことこそが一番の問題だと思っていましたが予想以上に早い終結となりましたね。
    これで田澤がドラフト対象になりましたが各球団が狙いを定めているのは吉川、そして結城でしょう。
    この結城を隠し玉として指名し周囲を驚かす球団が出てくるのか注目しています。

    >2018ねんにはエンジェルスを解雇され、日本に帰国したものの
    2019年はカブスとレッズに所属してました