この夏の甲子園で一躍ドラフト1位候補となった作新学院の今井達也投手、急成長のカギは「6割の力でストライク」だった。
栃木大会までは
今井達也投手は今年春の大会では登板もなく、栃木大会でも21回2/3で7失点という内容で、カギとなった準々決勝の文星芸大付戦で先発し完投したものの4失点をし、決勝戦ではリリーフで登板するなど、甲子園ほどの絶対的なエースではなかった。プロのスカウトも「栃木大会ではここまでではなかった」と甲子園の活躍を見て話す。
しかし甲子園では元々149キロを記録していた球速は152キロを記録し、また課題とされていたコントロールも良く、130キロ台のスライダーも威力十分だった。阪神の平塚スカウトは「もともと、これくら投げるポテンシャルは持っていた」と話す。
6,7割の力で
今井投手を覚醒させたのは、小針監督の「6,7割の力でコースに投げてみよう」というアドバイスがきっかけだったという。それまでマウンドで全力で投げており、力みで制球を乱して大量失点していたケースもあったが、6割の力でストライクを投げるようブルペンで投げ込みをすると、試合でも簡単にストライクを取れるようになり、さらに「直球でファウルを打たせられるようにもなった」と話す。
そして何より、力を入れて投げてもコントロールが大きく乱れなくなり、甲子園ではここぞというときにギアチェンジして150キロ台の速球で三振を奪った。
プロでは、さらに体を作ってギアチェンジしない状態の「6割」の部分を成長させれば、ピンチには150キロ中盤の速球で抑えるような投手になるかもしれない。甲子園優勝投手だがまだまだ潜在能力がある、今井投手はそういう投手だろう。
コメント