桐朋高校の森井翔太郎選手が、アスレチックスとマイナー契約を交わした。ファインスタインGMは「投げるのも打つのも見るのが楽しみ」と話し、二刀流として育成をする。
二刀流
森井翔太郎選手は「可能性があるなら2つやりたい」と話していた。投げては最速153キロを記録し、打っては高校通算45本塁打を放つ。ポジションはショートを守り、その身体能力の高さを見せていた森井選手、二刀流の大谷翔平選手について、「今の自分にとっては本当に遠い存在の野球選手」としながらも、「できるだけ早く、近づけるようにしたい」と話した。
MLBを頂点としたアメリカの野球で、マイナーリーグは環境も過酷で、プレーする選手も非常に多く、その日その日の競争の中で選手が残っていく。これまでは日本人選手がマイナーリーグで挑戦したものの、そこから這い上がってメジャーで活躍した選手はあまりいない。
日本のプロ野球は各球団の保有選手枠が育成を除いて70人と少なく、少数を育てていく環境にあり、これまでメジャーで活躍した選手も日本のプロ野球でプレーをしていた。ただし、それも日本のプロ野球で活躍できた選手だからという事もあり、多くの選手は日本のプロ野球に入る時もドラフト1位指名など高く評価された選手が多い。
しかし今回の森井選手は、マイナー契約ながらも9球団の争奪戦となり、151万500ドル(約2億4000万円)というこれまでの日本人のアマチュア選手で最高額の契約金となった。日本ではドラフトで指名された選手の金額の上限が1億円プラス出来高5000万円ときめられており、昨年のドラフト会議で5球団が競合した宗山選手や、中日の金丸投手もこの上限の金額で契約をしたが、それを上回る事になる。
そして森井選手がマイナーリーグで順調に成長し、メジャーで活躍をするような形になれば、日本のプロ野球の存在価値が問われ、メジャーリーグのファームという色が更に濃くなっていく気がする。
ただしだからといって、日本のアマチュア野球にメジャーと契約させないような「規制」によってNPBを維持しようというのも、ここまでメジャーリーグの影響力が強くなり、グローバル化した環境では難しいのではないかと思う。
強引に契約金の上限を撤廃すれば、ドラフト1位指名選手の契約金は今回の森井選手ぐらいに一気に上がるかもしれない。しかし、その金額を払える球団は限られてしまい、そのために
必要なのはNPBの魅力を高め、市場価値を高め、現在の契約金や年俸の水準を高めていく事が必要だが、それには時間がかかることでもあるし、日本市場は人口減少をしており、将来的には縮小していく傾向なのは間違いない。
日本野球が今後、どのような形で残っていくのか。ドラフト会議という制度もいつまで続けられるのかなどを見守って行きたい。



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