広島ドラフト1位・大瀬良大地投手がプロ初勝利、東北楽天・松井裕樹投手は3敗目

大瀬良大地, 松井裕樹, 岩崎優

 広島のドラフト1位・大瀬良大地投手が、同じくルーキーの阪神・岩崎優投手に投げ勝ち、プロ初勝利を飾った。東北楽天のドラフト1位・松井裕樹投手は3敗目を喫した。

 

初勝利、初ヒット、初打点

 大瀬良大地投手はここまで2試合に投げ、好投を見せながらも勝利はおあずけとなっていた。しかしこの日の阪神戦は、相手は同じルーキーで先にプロ初勝利を挙げていたドラフト6位の岩崎優投手。新人王を争う意味でも、大学NO1投手としてプロ入りしたこと考えても負けるわけにはいかなかった。

 最速149km/hの速球を右バッターのインコースに恐れずに投げ、7回を投げて5安打5奪三振2四球で1失点、自責点0の好投でプロ初勝利を飾った。防御率は3試合で2.14。

 また5回には自らレフト戦に2点タイムリーヒットを放ち、本当に自分の手で初勝利を奪い取った試合となった。

 岩崎優投手も6回を投げて5安打5奪三振3失点と好投を見せたが、大瀬良大地投手に打撃で2点を奪われたのが響いた。それでもこれで1勝1敗、大瀬良投手も1勝1敗と並んでいる。防御率は3試合で2.00と上回っている。

 まずは新人王争いの序盤戦、二人のデッドヒートが続く。

 

松井裕樹投手は開幕3連敗

 一方、東北楽天の松井裕樹投手がプロ3試合目となる福岡ソフトバンク戦に先発したが、5回を投げて5安打4奪三振6四死球で3失点、開幕3連敗となってしまった。

 四死球が課題と言われるが、高校3年生の時もそうだった。オープン戦が良かったので開幕1軍で3試合を投げているが、東北楽天首脳陣も四球を出すのは承知のはずで、その上で登板させているのならやたらと四球、四球と言わないほうが良いと思う。

 松井投手の良さは思い切りの良いフォームからのストレートで、高めのストレートにもバットが出てしまい、大きく曲がるスライダーで空振りを奪う点だろう。ストライクゾーンで勝負をする投手ではない。四球、四球と言いすぎて、その良さを潰す事にならないかを心配したくなる。この試合でも変化球の曲がりがかなり小さくなっていた。

 もし首脳陣が四球を恐れるのならば、2軍に落として時間をかけたほうが良い。このまま1軍で投げ続けても四球の事を監督、コーチ、そして報道などで言われると、さらに投げる事に怖さを覚えるようになるのではないかと思う。

 まだ高校卒で1年目、怖いもの知らずで高校野球を戦ってきたが、ボール球を見極めてくるプロの怖さを痛感しているだろう。もう一つレベルアップしなければならない。高校2年の夏から、3年生、ドラフト会議、そして開幕と、注目の中に居続けてきた。成長の為の静かな時間も必要だろう。

 

  屈託のない笑顔がはじけた。スタンドからの「大瀬良」コール。その中心で、プロ初のお立ち台に立った背番号14が歓喜の声をあげた。第一声は「ブチ最高です!」。広島弁で、スタンドを赤く染めた広島ファンへの感謝を込めた。ここまで、2度の先発で好投するも、白星はつかず。3度目の正直に白い歯を見せた。

 一人舞台と化した。同点で迎えた5回。目の前で石原が敬遠され、2死一、三塁で打席へ。「めっちゃ悔しくて、絶対打ってやろうと思った。自分が投手なら、変化球で空振りが取りたいだろうなと」。3球目、狙い通り、内角のスライダーをとらえた。左翼線で弾む打球。プロ初安打、チームとしても今季、投手が放った初安打となる二塁打は、鮮やかなダメ押し打。二塁ベース上で「無我夢中で」両手を突き上げた。

 落ち着きもあった。6回無死一塁で丸のエラーが絡んで、1点を失った。だが、ここが抑えどころと分かっていた。カットボールを軸にコーナーを突き、マートン、新井良、福留を仕留め、最少失点で切り抜けた。この日の最速は149キロ。現在リーグトップの102得点を誇る阪神打線を、7回5安打1失点に封じた。

 広島・大瀬良のプロ初勝利を担当の田村恵スカウトも喜んだ。鹿児島の自宅でテレビ観戦。「1つ勝ちがついて、正直、ホッとしました。プロ野球の世界において1つ勝つのは本当に難しいこと。最大の難関ですから。これでプロ野球選手としての第一歩を踏み出せた」。

 昨秋ドラフトではヤクルト、阪神との競合の末、自らクジを引き当てた。「まだまだ、こんなもんじゃない。ひと回りもふた回りも成長してもらわなくては」と注文も忘れなかった。

 5回1死二塁から長谷川にストレートの四球を与えると、静かに見守っていた星野監督も、ベンチを激しく叩いて怒りをあらわにした。ここまで3戦14回1/3を投げ、16四死球。指揮官は「(1イニング4四球の)前回より良かったけど、あれだけ四球を出せばな」と表情を曇らせた。

 プロ1勝が遠い。2敗目を喫した後、思い詰める左腕を見かねた先輩の小山伸は「田中(将大)と比較されるけど、背負う必要はない」と声をかけた。「チームに迷惑をかけないためにも、切り替えないといけない」と左腕も前を向き、宝刀スライダーの変化を小さくしてまで制球にこだわったが、結果には表れなかった。

 初回に「(プロで)対戦したい打者」として名前を挙げていた内川に適時打を浴びた。同点に追いついた直後の3回の失点は、四球からだ。先頭の本多を歩かせ、内川にまたも二塁打を浴びた。さらに2四球でピンチを広げ、松田の犠飛でもう1点を失った。

 前回登板となった9日の日本ハム戦(札幌ドーム)では体重が後ろに残りすぎて球が浮き、5四球の制球難で4回途中2失点で降板。11日には佐藤投手コーチが「次にストライクが入らなければ2軍」と厳しい言葉で奮起を促していた。この日は投球フォームの修正の成果を出すマウンドであったが、自己ワーストの6四球。課題は克服できず、5回で101球を要した。そればかりか、制球を意識するあまり腕の振りが鈍り、縦の鋭い変化が持ち味だったスライダーにも影響が出ている。バッテリーを組んだ小関が「曲がりが小さくなっている」と証言。4回途中で7奪三振だった前回登板と比べ、この日は5回で4奪三振に終わった。


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