全国高校野球選手権兵庫大会の組み合わせが決定した。注目されるのは投げては153キロ、打っては高校通算15本塁打の二刀流・滝川高校の新井瑛太選手(3年)で、主将としてもチームを45年ぶりの甲子園に導く。
U18候補の二刀流「レベルアップした姿を見せたい」
新井瑛太選手は投げては最速153キロの剛腕、打っては高校通算15本塁打のスラッガーで、その才能はすでに高く評価されており、4月には侍ジャパンU18代表候補合宿にも参加した。そこでは、投手として大阪桐蔭・森陽樹投手や京都国際・西村一毅投手らと意見交換し、打者としては全国トップクラスの投手と対戦して、速球への対応力に課題を感じ、この夏までに取り組んできた。
そして新井選手は「春から数段レベルアップした姿を見せられたら。ピッチャーでは完封。打点を意識してチャンスで打てるバッターを目指して頑張りたい。強豪校を倒して甲子園に行きたい」と力強く語り、春からの取り組みに自身を持ち、最後の夏への想いを明かした。
「古豪」から「強豪」へ、45年ぶりの甲子園目指す
滝川高校は春夏通算20度の甲子園出場している名門だが、1984年に兄弟校の滝川二高が新設されると、滝川二が兵庫の強豪として甲子園に出場する中で、滝川高校は1980年夏を最後に45年間、甲子園から遠ざかっている。
新井選手は「滝川二ができてから甲子園は遠ざかってきていた。伝統ある学校なのでOBの方々の意思も受け継いでプレーできたら」と、主将として歴史の重みを受け止める。「今まで古豪・滝川と言われていたのを、古豪じゃなくて強豪に変えて、他の強豪校に打ち勝って夏の甲子園に行くことが目標」と、復活への強い思いを口にした。
兵庫県は近畿チャンピオンの東洋大姫路の他、報徳学園など強豪がいる激戦区で、新井選手も滝川高校で1年夏から主力としてプレーしているが、1年夏は報徳学園、2年夏は神戸国際大付に敗れた。そして春も報徳学園に敗れており、その悔しさを、最後の夏に全てぶつける。
この日の組み合わせ抽選では、新井選手のいる滝川高に他校の視線が集まった。シード校として臨むが、同じブロックには22、23年の夏を連覇した強豪・社が入り、新井選手は「うわーと思ったけど、やるしかない。トーナメントは何が起こるかわからない。気持ちで負けないぞとはチームメートに伝えます」と、厳しい組み合わせにも臆することなく前を向く。
春先までに多くの球団のスカウトが注目していたが、春季大会の時に進路について、高校でのプロ入りの可能性は「少ないです」と話している。大学進学が濃厚であり、プロのスカウトが大勢集まったり、進路のことで回りがざわざわすることは少ないと思われ、高校最後の夏は甲子園出場の目標に集中する。
新井瑛太選手 プロフィール
- 氏名:新井 瑛太(あらい えいた)
- 生年月日:2007年10月26日
- 出身地:神戸市
- 所属:滝川高校(3年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:179cm・78kg
- ポジション:投手、内野手
- 主な特徴や実績:投げては最速153キロ、打っては高校通算15本塁打を誇るプロ注目の投打二刀流。滝川高校で主将・エース・主軸を務める。2025年4月にU18日本代表候補合宿に選出。1年夏からレギュラーとして活躍し、1年秋から本格的に投手に転向。



コメント