東都大学野球春季リーグでは、史上初の7季連続優勝を狙う青山学院大(青学大)が中央大(中大)を5-0で下し、開幕カードから無傷の4連勝を飾り、勝ち点を「2」に伸ばした。打倒青学に燃える他チームをはねのける圧倒的な力は、やはり今秋のドラフト上位候補に挙がる主将・渡部海捕手(4年=智弁和歌山)による所が大きい。この日も、終盤の好機で走者一掃の3点適時三塁打を放ち、待望の今季初打点をマーク。守っても下級生投手をリードして2試合連続の零封勝利を演出した。
主砲の目覚め、満塁で放った「3回振る」気迫の三塁打
チームは開幕から大量得点などで快進撃を続けていたが、4番の渡部海選手は3試合で安打こそあれ、打点は0のままだった。しかしこの日は接戦となると、1-0のリードで迎えた7回にチームが1点を追加してなおも無死満塁という絶好の場面で打席に立った。そして初球の真っすぐを逃さず、力強く振り抜くと、打球はセンターの頭上を鮮やかに越える、走者一掃の3点適時三塁打となった。
渡部選手は「いい流れで攻撃ができていたので、とにかく初球から3回(続けて)振るぐらいの気持ちで打席に入った。打点がついてよかったです。」と、安堵の表情を見せた。開幕の亜大戦後に打撃の微調整を行い、「軸足の使い方をちょっと修正しました(日刊スポーツ)」とそれが結果につながった。
2戦連続の零封劇、下級生投手陣を勝利に導くインサイドワーク
そして渡部選手の本領は、守備で発揮される。前日の鈴木泰成投手の快投に続き、この日は先発した左腕の田端竜也投手(2年=九州国際大付)を6回無失点、2番手のルーキー山田玲投手(1年=浜田)を3回無失点と好リード。中大打線に二塁すら踏ませない完璧なマネジメントで、2試合連続の完封リレーを完成させた。
「守備からいいリズムを作ることができていることが勝てている要因。全員戦力で誰がどの場面で出ても、結果を出せるチームになっている。」と話し、主将としてチーム全員の力と話すが、自らのリードが投手陣の持ち味を引き出し、それが攻撃のリズムにも繋がっている。
安藤寧則監督(48)も「(渡部が)あそこで打点を挙げられたのが大きかった(スポーツニッポン)」と、勝負所の一打を含めた主将の貢献を絶賛した。対戦した中大の清水達也監督(61)も「守備力の差が出たのかな(スポーツニッポン)」と、王者に君臨するチームのつよさが際立った試合だった。
ドラフト上位候補としての覚悟、7連覇へ向けた不退転の決意
大学ラストイヤー、渡部海選手の視線の先には「7季連続優勝」という前人未到の金字塔、そしてその先にある「プロ」の世界がある。智弁和歌山高時代から甲子園を経験し、エリート街道を歩んできたが、名門・青学大での4年間で一回りも二回りも成長した。今秋のドラフト会議において「上位指名」を確実視するスカウト陣の評価は、この開幕4連勝での振る舞いによってさらに確固たるものになった。
派手な打撃での活躍は少ないため、報道で名前が挙がる回数は多くないかもしれないが、その分、チームの勝利の記事が多くなるのが渡部選手の特徴だ。昨年の侍ジャパン大学代表でも負け無しの5連勝を果たすなど、これほどチームを勝利に結びつけることができる捕手はそうはいない。この選手を獲得したチームは、日本一に上り詰めるのは確実といってもいい選手だろう。間違いなく日本を代表する捕手となりそうだ。
【渡部 海】 プロフィール
- 氏名: 渡部海(わたなべ・かい)
- 所属: 青山学院大学(4年・主将)
- 出身: 大阪府(忠岡ボーイズ-智弁和歌山高卒)
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 179cm、86kg
- 主な特徴や実績: 智弁和歌山高時代に甲子園優勝。青学大では1年時から活躍し、大学日本代表も経験。2024年秋には二塁送球1.8秒台を記録する強肩。2026年春季リーグ開幕4連勝に貢献。高い守備技術とパンチ力ある打撃で注目される、2026年ドラフト上位候補。











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