鹿取氏がTDとしてアマチュア選手視察、侍JAPANの真の狙い

選手コラム 侍ジャパン

 侍JAPANは、現在15Uの代表監督を努める鹿取義隆氏がテクニカルディレクターに就任し、大学、社会人などアマチュア選手を視察して、プロアマ混成の侍ジャパン作りを目指す事を明らかにした。その裏には侍JAPANの大きな狙いがある。

 

鹿取氏、アマチュア選手を視察

 鹿取氏は今後、大学、社会人などの試合を視察し、侍JAPANのトップチームだけでなく、今年11月に台湾で行われる21Uワールドカップの編成などにも携わっていく事になる。21Uワールドカップでは阪神の藤浪晋太郎投手や北海道日本ハムの大谷翔平選手、東北楽天の松井裕樹投手、埼玉西武の森友哉捕手の他、明治大の上原健太投手や済美高校の安楽智大投手などのメンバー入りが予想されており、プロアマ混成で2017年、またはそれ以降のWBCの主力選手が集まる事になる。

 21Uについてはプロ選手だけでは人数が少なくなってしまう事からアマチュア選手の参加が必須となるが、侍JAPANはトップチームにも、昨年の台湾戦で大瀬良大地投手、岡崎啓介選手、高木伴投手がメンバー入りするなど、プロアマ一体を意識している。これには小久保監督や日本野球界の強い意思が見える。

 

プロアマの壁

 日本球界はこれまでプロとアマチュアに高い壁があり、プロ選手や関係者が高校生や大学生に接触することが制限されている場面もある。これはかつての選手獲得でプロ側がアマチュアの選手を強引に獲得した経緯があった事が原因だったが、近年にも逆指名制や希望枠制のドラフト会議が行われたときに、スカウトがアマチュア選手に金品を渡していたり、入団後にルールで決められた以上の契約金が支払われていたり、いろいろな問題が起こっていた。

 しかし現在のドラフト制度に代わり、プロ側もルール内での獲得競争を行っている状況から、徐々にプロアマの壁が取り払われていく流れになっている。アマチュア側が元プロ選手を指導者として迎えたり、プロアマ交流戦も盛んに行われている。

 侍JAPANが徐々に組織化していく中で、その目的はWBCでの世界一がまず挙げられるが、侍JAPANとトップとして、プロ野球、社会人野球、大学野球、高校野球、少年野球、女子野球を一つにしていくという事が狙いとなっているのがわかる。18U日本代表から侍JAPANトップチームまでの呼び名やユニフォームを統一し、これまであまり接点の無かった高校野球の監督とプロ野球指導者に接点を作り、一つ一つ壁を取り払っている。

 高校野球、大学野球、そしてプロ野球、それぞれに歴史と重みがある日本野球、お互いを尊重しながら融合していく事ができれば、日本の野球はまだ発展する余地があると思う。

 

  鹿取TDはトップチームで小久保裕紀監督(42)をサポートするほか、プロアマ混成チームで臨む今年11月の21Uワールドカップ(台湾・台中)の編成などにも携わり、懸け橋的な役割を担う。さらに、今春のセンバツや各地の大学野球リーグ、社会人野球なども視察するプランも浮上。精力的に代表候補を発掘する。

 「アマの方々との連携をしっかり取っていきたい。(17年WBCへ向けた)3年の間に強いチームにしてきたい」と意気込みを語った鹿取TD。小久保監督も「(チームの)人選も含め僕一人では負担も大きいし、プロとアマが一体になるために一番適している方」と信頼を寄せている。

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