花巻東・大谷翔平投手、11奪三振も11四死球と苦いマウンド、スカウトは打者として評価も!

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 花巻東vs大阪桐蔭の対戦では注目の花巻東・大谷翔平投手が150km/hを記録し11三振を奪うなど力も見せたが、11四死球を与える大乱調で8回2/3で降板、9失点を喫し敗れ去った。

投球内容

 初回、7ヶ月半ぶりの公式戦で落ち着かない様子が見ていてもわかった。やわらかいフォームから投げられるストレートはプロ選手の投手のような球で空振りも奪えた。先頭打者はすべてストレート、しかしまだ地に足がついていない感じで顔は照れているように苦笑いを浮かべながらの投球が続いた。2四死球でランナーを背負うも1つ目の三振を奪いピンチを切り抜ける。

 2回はスライダー、ストレート、チェンジアップを使い2つ三振を奪う。しかしスライダー、フォークは高く抜け、ストレートも高めにいく。球速は140km中盤を記録し質の良い球だった。3回から5回はストレートは140km前後まで球速を落とし、5回には2三振を奪うなどキレを意識した投球も見せたが5回終了時点で85球を投げてしまった。

 6回から疲れを見せ始めると先頭打者に四球を出し、4番・田端良基に抜けたスライダーがレフト、センター、ショートの真ん中に落ちるポテンヒット、ここで力尽きた感じがした。8番笠松悠哉にレフトオーバーの2ベースを浴びるなど3失点、続く7回は4番田端に抜けたスライダーをレフトボール際に運ばれた。9回は150球を越え四球、死球、四球でランナーを出すと頭部への死球でマウンドを降りた。

バッティング、フィールディングなど

 第1打席は打った球は若干甘いスライダーだが、体の回転で軽く速いコンパクトなスイング、その前にスライダーを空振りしたがそのスライダーを狙い打った感じだ。打球は逆風のライトスタンドにぐんぐん伸びていった。軽いスイングでもこの飛距離で超高校級といえるものだろう。

 3回にはバント処理、サード側に転がされたゴロを素早く回転しサードでランナーを刺した。193cmの大きな体でこれだけしなやかなフィールディンをするだけでも身体能力は高い。

感想・評価

 序盤は明らかに緊張していた。笑顔を浮かべていたがこれは自信によるものではなく不安を隠すかのような笑顔、地に足のつかないまま、それでも140km中盤のストレートは高校生のものではなく力で押すこともできるし空振りも奪えた。そして時折決まるスライダーで何とか切り抜けた。中盤少し落ち着くかに思えたが緊張の中で、制球を乱す中で体力がどんどん消耗し、6回以降はスタミナが切れた。

 おそらくあっという間に終わった感じだったのではないかと思う。自分のピッチングができたのが5回だけで他は自分じゃない自分が投げていたような感じだったのだろうと思う。フォームは足や腰の回転に若干の違和感を感じたものの、軸がありやわらかいフォームは藤浪晋太郎投手よりも良いと思った。

 しかし気になるのは全国大会で力を発揮できなかった点だ。昨夏はケガをしていたとはいえ苦い経験をし、今年は練習試合では圧巻のピッチングを見せながらも甲子園ではこのような投球になってしまった。けがによる経験不足やまだ成長が続いている事、体重を10kg増やしフォームが固まっていない、なども言われるが、大舞台で好投できていないのが、体やフォームによるものなのか、精神的な物なのか不安を感じる。9回裏に最後となる第4打席が回ってきたが、スライダーの空振りは第1打席とは全然違う気持ちが入っていないように感じた。9回表に降板した事が影響しているかもしれないが、最後に意地を見せてほしかった。

 まずはフォームを固め、公式戦で実績を積み、自信を持って夏の甲子園でまた姿を見たい。その時、本当のドラフト1位候補として改めて評価されるだろう。ダルビッシュ有投手もセンバツにノーヒットノーランしていたとはいえ、3年生での評価は低かった。中学生の時から注目されてきたダルビッシュ投手に1位指名をしたのは日本ハム1球団だけだった。大谷投手の良い球が少なかったとはいえ、ストレートもスライダーもフォークも一級品だった。投手としても間違いなく1位候補だ。

 現在、プロ野球は主軸野手が不足している。投手も松阪、ダルビッシュと中心選手がメジャーに移籍するなど徐々に減っているが、田中将、唐川、前田健太などが揃う。しかしダルビッシュ投手は対戦の物足りなさを感じメジャーへ移籍した。エースと呼ばれる投手たちを熱くさせる打者の必要性を感じる。大谷選手は193cmの超大型スラッガーとしての期待も十分できる。球界としては打者として望む所もあるかもしれない。

スカウトのコメント

◆北海道日本ハム・山田GM:「大谷も藤浪も素晴らしいものを持っている。本調子じゃなくても片りんを見せた。大谷の本塁打は打ち方が素晴らしい。投手も野手も両方やれる。」

◆北海道日本ハム・今成スカウト:「さまざまな投手がダル2世と呼ばれてきたが、彼こそがふさわしい。当時のダルと比べても甲乙つけがたい」
ブレーブス・大屋博行国際スカウト:「大谷は打撃センスがあってバランスがいい。藤浪はきょうは力みがあったが、あれだけ投げられるのは体が強い証拠」

◆福岡ソフトバンク・永山勝スカウト部長:「ピッチングは寒い中しっかり投げていた。大谷は柔らかく投げ、藤浪は剛腕。2人ともただ速いだけじゃなく変化球にもセンスがある。大谷君は打者としても欲しいくらい。藤浪君も今後が楽しみな素材」

◆阪神・葛西スカウト:「大谷くんは素材として見ている。夏までにバランスを調整し、どう成長するか。腕の振りがシャープで楽しみ。打撃は三直もすごかった。」

◆千葉ロッテ・永野チーフスカウト:「大谷は投手、野手両方の可能性を持っている。打撃も柔らかい。スイングはそんなに速いわけじゃないけど、運ぶイメージがずっとできている。」

◆オリックス・古屋編成部国内グループ長:「テクニックは大谷の方が上。ステップが狭いからばらつきもあるけど、今の段階では十分。足もあるしセンスを感じる。」

◆中日・中田スカウト部長:「大谷の打撃はトップも含めて素晴らしい打ち方。投球は6~7分の出来だから伸びしろがある。身のこなしも脚力もセンスもすべてを備えている。」

◆広島・苑田スカウト部長:「大谷はバランスがいいけどまだ下半身が使えてない。打撃はNO・1。藤浪を見てびっくりした。ぴゅっと浮くようなスライダーを見たのは大洋にいた平松以来だ。」

◆東北楽天・上岡スカウト:「きょうはいいときの50%ぐらい。持っているポテンシャルの高さは計り知れない」

◆東北楽天・早川スカウトアドバイザー:「大谷は中日の浅尾のように、テークバックが小さく、腕の振りが速い。藤浪は球持ちの良さが光る。2人とも素材はいいが、プロでは活躍するには時間がかかりそうな気もする」

◆横浜DeNA・吉田編成部長:「大谷は投打とも好素質。藤浪は大きな体を使えるし、球を押し込むのがいい。」

◆巨人・熊野スカウト:「大谷の打撃はすごい。きっちりためて打てる。高校時代のT-岡田よりも上。長身投手は手足が長過ぎて、上下のバランスが悪いケースが多いが、藤浪も大谷も大きい割に動きがいい」

 

 

花巻東・大谷完敗も日本ハムスカウト「彼こそ“ダル2世”」…センバツ - スポーツ報知:2012/03/22

 “岩手のダル”こと花巻東の大谷翔平(3年)は中盤以降に息切れし、“ナニワのダル”藤浪晋太郎(3年)擁する大阪桐蔭に2―9で逆転負け。1回戦で姿を消した。それでも、センバツ史上5位タイとなる150キロを計測し、2回に藤浪から右越えソロを放つなど、投打に超高校級の才能を披露。ネット裏のスカウトからは「彼こそが“ダル2世”にふさわしい」といった絶賛の声が相次いだ。

 完全なスタミナ切れだった。7回2死三塁。127球目だった。大谷が4番の田端良基(3年)へ投じたスライダーは内角高めに浮き、左翼席へ。193センチ右腕はぼう然と見送った。「自分のせいで負けて、野手に申し訳ないです。制球が悪くて修正できなかった。6回くらいから握力もなかった」。昨年8月の甲子園1回戦(帝京戦)以来の公式戦マウンドで、またも初戦敗退の屈辱を味わった。

大谷11四死球9失点で初戦敗退/センバツ - ニッカンスポーツ・コム:2012/03/22

 大谷の握力は、もう失われていた。9回表2死二、三塁。暴投で7点目を献上し、7番水谷には頭部死球。完投目前、173球でマウンドを降りた。指先が黒く焦げるほどの熱投だったが、8回2/3を7安打11四死球で9失点。「実力不足です。やってきたフォームで投げられず、試合中に修正できなかった。出来は2、3割。自分のせいで負けました」。試合後の通路では唇をかみ、引き揚げる藤浪の後ろ姿を見送った。

 良くも悪くも大谷中心だった。まずは4番打者として2回裏にソロ本塁打を放つ。116キロのスライダーを懐深く引き込んでフルスイング。右中間の外野席に高校通算37本目を突き刺した。投げては5回まで2安打6Kの無失点。最速150キロも投げ、ネット裏のスカウト陣も絶賛していた。

 しかし、悪夢のシナリオは始まっていた。5回終了時点で85球。昨年7月の負傷後、実戦で投げたのは79球が最高で「6、7回から握力がなくなってきた」。2-1の6回表に外角高め126キロのスライダーを痛打され、逆転の2点二塁打を浴びる。さらに7回2死三塁から相手の4番田端に左越え2ランをたたき込まれた。高校入学後、公式戦で本塁打を浴びるのは初めて。これも、打たれた球は決め球スライダーだった。

大谷を見た!スカウトの目/センバツ - ニッカンスポーツ・コム:2012/03/22

  阪神葛西スカウト 大谷くんは素材として見ている。夏までにバランスを調整し、どう成長するか。腕の振りがシャープで楽しみ。打撃は三直もすごかった。

 日本ハム山田GM 大谷も藤浪も素晴らしいものを持っている。本調子じゃなくても片りんを見せた。大谷の本塁打は打ち方が素晴らしい。投手も野手も両方やれる。

 ソフトバンク永山スカウト部長 ピッチングは寒い中しっかり投げていた。大谷は柔らかく投げ、藤浪は剛腕。2人ともただ速いだけじゃなく変化球にもセンスがある。

 ロッテ永野チーフスカウト 大谷は投手、野手両方の可能性を持っている。打撃も柔らかい。スイングはそんなに速いわけじゃないけど、運ぶイメージがずっとできている。

 オリックス古屋編成部国内グループ長 テクニックは大谷の方が上。ステップが狭いからばらつきもあるけど、今の段階では十分。足もあるしセンスを感じる。

 中日中田スカウト部長 大谷の打撃はトップも含めて素晴らしい打ち方。投球は6~7分の出来だから伸びしろがある。身のこなしも脚力もセンスもすべてを備えている。

 広島苑田スカウト部長 大谷はバランスがいいけどまだ下半身が使えてない。打撃はNO・1。藤浪を見てびっくりした。ぴゅっと浮くようなスライダーを見たのは大洋にいた平松以来だ。

花巻東・大谷、150キロ11K!/センバツ - サンケイスポーツ:2012/03/22

  巨人・山下スカウト部長の話
「大谷は、打撃が高校生のレベルではない。スライダーを投げるときは力みがないんだけど、直球を投げるときにフォームを崩してしまうところがある。藤浪は、この時期の150キロはプロでも出ない。リリースポイントがバラつくし、まだ下半身が弱いが、安定してくればもっとスピードも出る」

中日・中田スカウト部長の話
 「藤浪は(昨夏と比べ)腕が振れるようになって、球も速くなった。大谷は試行錯誤している段階で、まだまだ良くなる要素がある。完成に近いのは打撃の方。2人とも間違いなく1位候補。好投手が初戦でぶつかってしまうのはもったいないけれど、2人の特徴がよくわかった」

広島・宮本スカウト部付部長の話
 「藤浪は、左足をきちっと地面に着いてから投げられるから、打者はスピードガンよりさらに速く感じるんじゃないか。大谷は、即戦力だと思っている。超高校級じゃないかな。体の使い方に力みがない。球のキレに出ている。ただ、きょうは変化球に頼り過ぎた面があったかな」

大阪桐蔭OBの西武・中村の話
 「逆転を信じていました。一回戦を突破したので、このまま優勝を目指してほしいです」

花巻東OBの西武・菊池の話
 「怪物対決が見られてよかったです。本当は優勝してほしかったですけど、夏があるので、気持ちを切り替えて日本一を目指してがんばってください」

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