オリックスがドラフト指名選手の入団発表 ~新入団選手の詳細~

オリックスドラフトニュース 2013年ドラフトニュース

 オリックスはドラフト会議で指名した9選手の入団発表を行った。

新統一球に対応して

 オリックスは今年は5位となった。チーム防御率は3.31でパリーグ6球団で最高だったが、チーム打率が.256で北海道日本ハムと並んで5位タイ、得点513は首位の東北楽天から100点以上の差をつけられるなど、打線のつながりを大きく欠いた形となった。飛ぶようになった新しい統一球となり、主軸は糸井、李、バルディレスと打率、ホームランで成績を残したものの、1番の坂口が精細を欠き、2番は川端、安達、駿太などが入れ替わり務めるなど、リードオフマンとして相手を崩す事ができなかった。また、クリーンナップに続く下位打線もチャンスを生かすことができなかった。

 また投手についても防御率はリーグ1だが、先発では金子千尋が15勝、西勇輝が9勝も、ディクソン、マエストリと外国人投手が続き、続く日本人投手は松葉の4勝と、先発投手の数が少ない。

 さらにシーズンオフには李、バルディレスが抜ける事となり、金子千尋投手や平野佳寿投手がFA移籍する可能性もあるなど、チームの危機的状況は続いている。

 

 ドラフト会議では、まず先発投手強化を課題に掲げ、ドラフト1位で吉田投手を、ドラフト2位で東明投手を獲得する事に成功した。吉田投手は最速150km/h以上を誇るが、140km/h前半から中盤の速球を低めに投げ、フォーク、スライダーでストライクも打たせて取る事もできる投手で、巨人の菅野智之投手のようなピッチングができる投手。勝利に貢献できる投手だ。

 東明投手は140km/h中盤の速球を連発し、全体で見ると吉田投手よりも球速は出ているように見える。ただし、球が高めにいく事が多く、投球フォームと球の勢いで抑えるようなタイプ。低めに行くときは手が付けられない抜群の安定感を見せる先発投手だが、リリーフとしても試されるかもしれない。

 3位以降は将来の主軸を担う選手を揃えた。これまで外国人に主軸を任せてきた事が多かったが、出入りが激しいことからチームが不安定になる事が多く、日本人の主軸を作る。伊藤光捕手という期待の捕手がいるものの、若月捕手を獲得した。若月選手は長打力も抜群だが、投手を良くリードし、安定したスローイングもできる捕手として素質の高い選手。

 園部選手と奥浪選手はタイプが被る。園部選手は通算59本塁打、奥浪選手は71本塁打だが、園部選手は甲子園で2大会連続でホームランを放ち、18Uワールドカップでも、右に左に外野手を越す長打を見せていた。技術の高さも見せ、大舞台を経験している園部選手には高い期待ができる。奥浪選手は大舞台での経験は少ないが、柔らかい打撃もできる選手と聞いている。飛ぶボールとなった新統一球となり、ホームランを狙えるこの二人は競って主軸となってほしい。

 ドラフト5位の吉田選手も50m6.1秒の足と共に、外野手の間を抜ける痛烈な打球が持ち味のハードパンチャーで、主軸も打てるしリードオフマンとしても期待できる選手。育成1位の東選手も鋭いスイングが出来る選手で、打撃のタイプ的には似ているかもしれない。

 ドラフト7位・柴田投手は速球が魅力でリリーフとしての可能性がある投手、大山暁史投手は大きなスライダーを生かした軟投派だが、ここぞという場面で強気にインコースを攻めることもでき、リリーフとしても先発としても使える。

 

 先発の枚数が厚くなり、将来のチームの中心選手となりそうな選手を獲得できた今年のドラフト、あらためて12球団でトップクラスの成功を収めたドラフトとなった。リードオフマン不足や主軸の穴をすぐに埋める事はできず、得点力不足の課題はすぐには解消されないかもしれないが、防御率はもっと良くなり上位進出の期待もできる。

 

ドラフト名前ポジション背番号特徴出身説明
1位吉田一将捕手14191cm92kg 右右青森山田-日大-JR東日本社会人NO1エース、速球とフォーク武器
2位東明大貴投手26178cm77kg 右右富田-桐蔭横浜大-富士重工150km/h速球に勢い、フォークも良い
3位若月健矢捕手37179cm85kg 右右花咲徳栄森友哉に次ぐ高校NO2捕手、打撃も◎
4位園部聡内野手44184cm94kg 右右聖光学院左右に長打を打ち分けるスラッガー
5位吉田雄人外野手53178cm74kg 右左北照強い打球で18Uでも活躍、足も魅力
6位奥浪鏡内野手61176cm95kg 右右創志学園71本塁打の長距離砲、園部と勝負
7位柴田健斗投手69175cm83kg 右右中京大中京-中京大-エディオン愛工大OB-信濃グランセ148km/h速球で広島入団テストにも合格
8位大山暁史投手40168cm69kg 左左別府青山-亜大-セガサミーベテラン左腕、大きなカーブとキレよい速球
育成1位東弘明内野手106180cm74kg 右右八日市南-徳島インディゴソックス鋭いスイングで長打魅力、技術高い

 

 オリックスは14日、大阪市内のホテルで新人選手の入団発表を行った。森脇浩司監督(52)は、ドラフト1位の吉田一将投手(24)=JR東日本=のツルツル肌と強心臓を大絶賛。背番号14のユニホームに袖を通した191センチの長身右腕のルックス、実力に二重丸をつけた。

 将来のエース候補に森脇監督は、ぞっこんだった。会見中、まじまじとドラ1右腕の顔を見つめると、「それにしても吉田の肌は若々しい。羨ましい限り」と褒めちぎった。急なフリに隣に座っていた吉田一も「まさかそこを褒められるとは。ボケたりしない人だと思っていたので」と、思わず苦笑い。肌の手入れには化粧水を使う程度だが、生まれ持った美肌で指揮官のハートを早くもゲットした。

 もちろん外見だけではない。吉田一は対戦したい打者にアマ時代に経験のない外国人選手を指名。中でもオリックスを退団し、ソフトバンクに移籍濃厚な李大浩に対しては「ビビっていたらダメ。際どいコースをついていく」と、強気の内角攻めを宣言。森脇監督も心強い言動に何度もうなずいていた。

  走攻守三拍子揃った外野手と期待される5位の吉田雄は憧れ・目標の選手にイチローの名前を挙げた。「技術だけでなく人間性も見習いたい」。イチローがオフシーズンはほっともっと神戸で自主トレを行っていることを知っており「もしかしたら会えるかも。とても楽しみです」と、早くも対面が待ち遠しそうな表情を浮かべていた。ただ「聞いてみたいことだらけですけれど、実際会ったら頭が真っ白になりそうです」と、対面前から緊張度はMAXだ。

 ドラフト1位の吉田一と姓が重なることで、ここはイチローのようにファーストネームでの登録もアピール材料になりそうだが「いつもは吉田と呼ばれてます。(吉田と呼ばれた時は)吉田さんか自分か空気を読んで返事します」と登録名ユウトにはピンとこない様子だった。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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