前橋育英・高橋光成投手が7安打7奪三振で1失点完投、41回を投げて防御率0.00維持

高橋光成, 前橋育英

 前橋育英の高橋光成投手が甲子園の決勝まで駆け上った。

 高橋投手は群馬大会で初戦はリリーフで2イニングを登板し1安打無失点も2つの四死球を許した。その後、四死球を出して苦しいピッチングもあったが、準決勝では7回4安打8奪三振1失点、決勝では9回4安打9奪三振で完封して勝ちあがった。甲子園出場の最後の球は148km/hを記録した。

 甲子園では岩国商、樟南を連続完封し、横浜高校戦でも1失点完投、準々決勝の常総学院戦では6回からリリーフして5イニングで10奪三振無失点、そしてこの日の準決勝は7安打7奪三振1失点で完投勝利した。甲子園で41回を投げて自責点は0と抜群の安定感が光る。

 この日の最速も最後の打者の最後の球だった。最速142km/hと疲れは否めないものの、力強い球で併殺に打ち取った。疲労の為にストレートの球速が出ないもののスライダーで試合を作り、いざと言うときにストレートで勝負できる、同じ2年生の安楽投手とは違ったタイプのエースと言える。高橋投手は来年に向かって安楽投手のような球威を手に入れれば、ものすごい投手になるし、安楽投手は高橋投手のように、ストレートが良く無い時でも、変化球でカウントを整え最後にストレートでスバリという投球ができれば、念願の全国制覇に手が届くだろう。

 いずれにしても、来年のドラフト会議で安楽智大投手に肩を並べるような投手がいるとは思わなかったが、高橋光成投手は十分肩を並べる投手となるだろう。

  “ゼロ神話”は守られた。9回1死一塁。高橋光が104球目に投じた外角直球が、この日最速の142キロをたたき出し、二ゴロ併殺。初回に1死満塁を背負うなど7安打を浴びながら、味方の好守にも助けられ1失点完投。ついに決勝にたどり着いた。「今までで一番キツい試合だった。正直(決勝の)実感がないんですけど」と言いつつ、笑顔がはじけた。

 またまた自責0だった。6回先頭。奥村展征への初球のフォークを中越えに運ばれた。工藤陽平中堅手が、中継に入った二塁手に悪送球し、その間に打者走者が三進。直後に犠飛を打たれ、1点を失った。ただ、記録は二塁打に失策がついたため、自責はなし。計5試合41イニングでいまだ自責0、防御率0・00が継続した。

  初回1死満塁。いきなりピンチを迎え、高橋光の眼光が鋭くなった。5番の吉岡への初球は124キロスライダー。外角へのボール球を投げた後、2球目で思い切り腕を振った。138キロ直球。力で二ゴロ併殺に仕留め、先制点を許さなかった。

 「(疲れは)ちょっとあったけど、先制点は絶対許したくなかった。絶対抑えようと思って、気持ちを入れ替えた」
 7安打を許し、得点圏に4度走者を進められた。そのたびにギアを上げた。6回に中越え二塁打を浴び、中堅手の悪送球で三塁まで進塁された。犠飛で1失点を許したが、失策が絡んだため自責点0で完投。得点圏では安打を1本も許さなかった。5試合41回で防御率は0・00。「自責1」になったと勘違いしていた高橋光は「失策だと(自責点は)0になるんですか?」と目を丸くした。

 1メートル88の長身右腕。「日本を代表する凄い投手」と憧れる開幕17連勝中の楽天・田中と全く同じ身長だ。最速148キロの直球、変化球はスライダーとフォークを武器にするところも同じなら、ピンチでの強さまで似ている。先頭打者への被打率は・205。昨季春夏連覇した藤浪(大阪桐蔭、現阪神)の・057と比較すれば決して優れてはいない。通算でも・206だが、得点圏では・107まで下がり「(ピンチでは)気持ちが入るので、いつもより思い切り腕を振ってコースに投げる」と自己分析した。


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