第108回全国高校野球選手権静岡大会の1回戦が5日に島田球場などで行われ、沼津商のプロ注目捕手・後藤幸樹選手(3年)が2番として4打点をマークする奮闘を見せた。しかし、0-6と大きくリードされた展開からの追い上げも一歩及ばず、沼津商は5-6で磐田西に敗れ、後藤選手の短い夏が終わった。この日は5球団が視察しオリックスが評価、次はプロ野球選手の夢に向けて歩みを止めることはない。
0-6から始まった猛追、2本の適時打で計4打点
沼津商は初回にいきなり3連続安打を許して3失点。続く2回には後藤幸樹選手のミスも絡んでさらに3失点し、序盤で0-6と苦しい展開に追い込まれた。それでも「誰一人諦めなかった」と後藤選手が語る通り、沼津商ナインは最後まで戦う姿勢を崩さなかった。
その底力を体現したのが2番打者の後藤選手だった。5回、2死一、三塁の好機で中越えに2点適時三塁打を放つと、8回には再び中越えへ2点適時二塁打。「無我夢中」で突っ走り、計4打点をたたき出した。それでも、あと1点が届かなかった。
後藤選手は序盤の重い立ち上がりを冷静に振り返った。「(最初は)皆、緊張してしまって自分たちの思うプレーができていなかった。6点取られて緊張がほぐれたので(打てたのは)自分の評価できるポイントかなとは思っています。自分が打って勝たせたい思いでした」(スポーツ報知)と話した。
止まらぬ主将の涙、恩師への思いとプロへの夢
試合後、沼津商の主将である後藤選手の涙は止まらなかった。「甲子園で(監督の)大久保(匡人)先生にいい思いをさせることができず、本当に悔しい」と声を絞らせた。指揮官を甲子園へ連れて行くという思いを胸に戦い抜いた夏は、あまりに短く終わった。
NPB11球団が視察に訪れている後藤選手、この日も5球団のスカウトが視察し、オリックスが評価している。
オリックス・小林敦スカウト:「ミスの後も明るく積極的にプレーできている」
高い能力はこの試合でも存分に示すことができた。悔しさを力に変え、後藤選手は次のステージを見据える。「甲子園という夢はおわってしまったんですが、プロ野球選手という夢は残っているので、そこに向けて頑張っていきたいです」と話し、「これからは沼津商の看板を背負って、日本を代表して活躍できるような選手になりたいです」と語った。この日の涙を忘れず、夢へ邁進していく。
短すぎる夏となった後藤選手だが、その人間性の素晴らしさを十分にアピールしている。能力の高さと共にこの部分の評価で、育成ドラフトで獲得してみたいと思うスカウトは少なくないだろう。
【後藤 幸樹】 プロフィール
- 氏名:後藤 幸樹
- 所属:沼津商業高校(3年)
- ポジション:捕手
- 主な特徴や実績:NPB11球団が視察したプロ注目の走攻守3拍子そろった捕手で、チームの主将を務める。全国高校野球選手権静岡大会の1回戦では2番打者として、0-6の劣勢から5回に中越え2点適時三塁打、8回に中越え2点適時二塁打を放ち、計4打点をたたき出す勝負強さを発揮した。「日本を代表して活躍できるような選手になりたい」と夢を掲げ、次のステージでのさらなる飛躍が期待される。




後藤”雪辱はプロで” スポーツニッポン静岡版紙面






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