巨人、育成ドラフトルーキー・山下航汰選手が悔しさ積もる敷島球場でプロ初ヒット

山下航汰

もし、昨年夏の決勝で勝っていたら、育成ドラフト1位なんてことはなかっただろう。健大高崎出身の山下航汰選手が、地元・前橋の上毛敷島球場でプロ初ヒットを放った。まさかの育成ドラフト指名から1年間で這い上がった。

あの日

山下航汰選手は健大高崎で1年時から注目される選手だった。そして2年春のセンバツでは2本の満塁ホームランを放ち、3年夏には高校通算75本塁打を放っていた。ポジションがレフトやファーストだった事はあるが、個人的にもAランクは絶対に揺るがなかった。それでも昨年のドラフト会議では育成ドラフトの1位で巨人に指名された。

昨年の7月25日、場所は前橋の上毛新聞敷島球場、群馬大会の決勝戦が行われた。1番レフトで出場した山下選手は2つの四球を与えられ、3打数1安打に終わる。試合は8回まで5-5の同点だったが、9回裏に前橋育英がサヨナラで勝利し、最強打線と言われた健大高崎が甲子園出場を逃した。

山下選手は1年生からレギュラーで出場していたが結局、甲子園には2本の満塁弾を放った2年春のセンバツしか出場できなかった。夏の群馬大会はこの敷島球場で3度決勝を戦ったものの、いずれも敗れた。もし、この日の試合で山下選手に高校最後の76本目が出ていたら、もし健大高崎が勝って甲子園に出場していたら、育成ドラフトでの指名という事はなかっただろう。

プロ初安打

しかし、山下選手は這い上がった。育成枠だがファームの試合で結果を出して徐々に出場の機会を得ると、5月11日のイースタンリーグ・西武戦はこの敷島球場で行われ4安打を放って見せた。

そして、7月5日に支配下登録をされると、この日、敷島球場で行われた中日戦で、8回1アウト1塁の場面で代打で登場し、プロ初ヒットを放った。

悔しい思い出の積もったこの球場に「全部覚えている。すごく悔しかった」と話すが、この場所がプロ初ヒットの球場になった。「3年間、過ごした所なので、楽な気持ちで打席に入れた。群馬県民の方は温かい方ばかりだなと思いました」と話した。

まずは1本目のヒット、次にここに来るときには、さらに成長した姿を見せてくれるだろう。

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「3年間、過ごした所なので、楽な気持ちで打席に入れた。群馬県民の方は温かい方ばかりだなと思いました」と控えめに笑った。

悔しさの残る思い出の地だった。群馬は高崎健康福祉大高崎高時代の3年間を過ごした。高校1年からレギュラーを張ったが、この球場では3年連続、夏の県大会決勝で敗れた。1年時には自らの失策も絡み、「全部覚えている。すごく悔しかった」。プロの舞台で帰ってきた男が当時の悔しさを晴らす輝きを放った。


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