社会人野球のJABA日立市長杯は18日、日立製作所がトヨタ自動車東日本に勝利し決勝トーナメント進出を決めた。公式戦初登板で初先発の大役を任された新人右腕・由上慶投手(22=京産大)は、昨年にプロも注目した187センチの長身右腕で、投げ下ろす力強い直球を武器に7回2安打無失点の快投を見せた。前日に9回1失点完投の好投を見せた同期の飯田真渚斗投手に続く活躍で、名門・日立の「新星」がその無限の可能性を見せている。
7回2安打の奪三振ショー、緊張を力に変えた「先頭打者封じ」
由上慶投手はこの日、「めちゃくちゃ緊張した」という社会人野球での公式戦初登板、そして先発としての初回だったが、わずか8球で3者凡退に仕留めると、一気に自らのリズムに乗った。140キロ台後半の直球に、チェンジアップやスプリットを巧みに織り交ぜ、相手打線に決定打を許さない。5回には初めて得点圏に走者を背負ったが、冷静に遊ゴロに打ち取りスコアボードに「0」を刻み続けた。7回を投げ抜き、無失点でマウンドを後続に託した。
由上慶投手は「一人ずつ抑えようと。長いイニングを投げるとかは考えず、丁寧に投げました。チームが勝てて良かった。先頭打者を全て打ち取ることができたので、四死球は多かったですが、要所要所で粘れたと思います(スポーツニッポン)。」と、初々しい表情で振り返った。大型右腕ならではの角度と、ピンチで動じない精神力。その完成度の高さを見せつけた。
投手専念で8キロアップした実力、打撃を捨てて掴んだ152キロへの軌跡
由上投手は大阪の進学校・関西大倉高時代から注目され、京産大でも3年時までは指名打者(DH)として出場する「二刀流」だった。しかし、二刀流では結果が出せず、「バッティングを諦め、ピッチャー一本の可能性にかけました(スポーツニッポン)。」と投手一本に絞った。
4年生となった昨春、投手としての進化は凄まじかった。144キロだった最速は、わずか1年間で152キロにまで上昇。長身を活かしたフォームの改善と、徹底したトレーニングにより、プロも注目するドラフト候補となった。プロ志望届を提出して指名を待ったが指名されなかったが、その高い実力を、公式戦初登板でも見せた。
林治郎監督が絶賛する「新人の連鎖」
指揮を執る林治郎監督は、連日にわたるルーキーたちの躍動に目を細めている。前日の飯田真渚斗投手の快投が、由上投手にとって最高の刺激となったことは間違いない。「状況によっていろんな投球をできるのが彼の持ち味。飯田が先発で投げて負けてられないという気持ちで投げて、すごく良い連鎖が出ているんじゃないかと思います(スポーツニッポン)。」と話す。
予選リーグを突破した日立製作所は、19日の準決勝で日本製鉄鹿島との「同県対決」に挑む。地元で行われる日立市長杯だが、2017年以来優勝をしていない。9年ぶりの優勝へ向けて由上投手は「あと2勝で優勝。しっかりケアして次に投げるところで結果を残せるようにしたいと思います(スポーツニッポン)」と、すでに次なるマウンドを見据えている。
【由上 慶】 プロフィール
- 氏名: 由上慶(ゆがみ・けい)
- 所属: 日立製作所(新人・1年目)
- 出身: 大阪府(茨木市立茨木北中-関西大倉高-京都産業大卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 187cm、88kg(推定)
- 主な特徴や実績: 187cmの長身から最速152キロの直球を投げ下ろす本格派右腕。大学3年まで二刀流だったが、4年時に投手専念して球速が急上昇。2026年JABA日立市長杯にて公式戦初登板初先発し、7回2安打無失点の快投を見せた即戦力ルーキー。2027年ドラフト候補。







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