埼玉西武は今年のドラフト会議で、支配下7人に加えて育成7人を指名し、そのうち9人が高校生を指名した。常勝軍団に向けて高卒選手の育成を中心とした常勝球団を作っていく。
3年後
埼玉西武は今季、49勝91敗3分けという大敗のシーズンだった。松井稼頭央監督が途中で休養し、渡辺GMが監督代行として指揮を執ったが、シーズンが終わると二人とも責任を取る形で球団を去った。
しかし西武は3軍の導入など育成に向けて環境整備を続けていた。2020年に支配下7人、育成5人の12人を指名すると、2021年も10人、2022年も10人、2023年には13人を指名し、今年も14人を指名した。特に今年は支配下ドラフトで7人を指名したのは西武だけ、育成もこれまで指名数の多かったオリックスや巨人よりも多く、13人を指名したソフトバンクに次ぐ人数だった。
今年の14人の指名選手のうち、9人が高校生の指名で、ドラフト1位で斎藤大翔遊撃手、3位で将来のエース候補の狩生聖真投手を指名、さらに篠原響投手、龍山暖捕手を支配下で指名し、育成でも冨士大和投手やラマルギービンラタナヤケ選手といった可能性のある選手を指名した。
球団OBは、「かつては渡辺久、工藤、清原、秋山、伊東に始まり鈴木健、松井、小関、松坂。そして中島、中村、栗山、菊池、森とチームが強かった時代には常に高卒で生え抜きの中心選手がいた。今ほどFAがチーム編成に影響を与える時代ではなかったが、やはりいい素材の高卒選手を投打の軸に育て上げれば長く安定的に活躍してもらえる。チームづくりの理想形」と話す。
西武はFAで選手が移籍してしまう球団だが、それでも強さを見せてきたのは、ファームの人材の豊富さで、特に西武の2軍の野手のスイングの鋭さは群を抜いていた時期があった。イメージ的には野手の主軸を打つ選手は高校卒を育て、二遊間や投手は即戦力をうまく獲得するチームで、まずは主軸を打つ選手を高校生から育ててゆきたい。
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