済美・安楽智大投手、3つの約束に向けて更なる成長へ

高校野球ドラフトニュース 2014年ドラフトニュース

 今年のドラフトの目玉といえば、済美高・安楽智大投手になる事は間違いない。188cm90kgの体から投げられる157km/hの速球と、曲がりが鋭くて大きいスライダーなどで、センバツ大会で準優勝、また高校日本代表としても、ベネズエラ、キューバから2ケタ三振を奪っている。その安楽投手が3つの約束に向けて、更なる成長をしているようだ。

 

3つの約束

 大谷翔平選手(2012年北海道日本ハムドラフト1位)が、花巻東の入学時に花巻東・佐々木監督と「160km/h」の約束をしたことは有名だが、済美の安楽智大投手も入学後に上甲監督と3つの約束をしている。1つ目が「夏の甲子園優勝」、2つ目が「160キロ」、3つ目が「ドラフト1位」。センバツで準優勝し、157km/hを記録し、今年のドラフトの超目玉となっており、3つの約束にあと一歩の所まで来ている。

 まだ、3つともまだ達成はできていない。この「あと一歩」が非常に大変である事はまちがいない。しかし、安楽投手はその目標に向かい、着実に成長をしている。

 

「夏の甲子園優勝」のために

 夏の甲子園で優勝するためには、安楽投手自身が暑い夏に連投するスタミナも必要だが、チームとして勝っていかなければならない。上甲監督は秋の新チームより安楽投手を主将に指名し、自分でチームを優勝できるチームに引っ張っていく事を課した。練習でも自らの投球練習だけでなく、投内連携などで大きな声を出しているという。

 

「160キロ」のために

 160km/hを記録するために上甲監督は、昨年の18Uワールドカップで変化球を軸に投球し、チームに戻ってもその投球術を磨いていこうとしていた安楽投手に苦言を呈した。球速を追いかけるか、勝ち星を追いかけるか、2つを追いかけるというのはプロ野球の投手でさえもできていない事で、田中将大投手もプロ入り1年目、2年目はストレートを追い求めて野村監督に苦言を呈され、その後は制球力などコントロールや変化球を磨いて今年24連勝を達成している。

 160km/hの球速を追い求めながら夏の甲子園で優勝を目指すという事は、これまで怪物と呼ばれた投手達よりも一回り上回るような力が必要になるのではないかと思う。しかし安楽投手はそれに向かってトレーニングをしており、188cm90kgの体だが体脂肪率は20%から13%となり筋肉量が増えている。パワーアップは確実にしているようだ。

 ただしこれは賭けでもある。巨人の桑田真澄投手もプロ入り後に球速を伸ばそうと筋肉をつけ、高校時代のしなやかさが失われたと言われている。筋肉をつけた上で体が硬くならず、柔らかくしなやかに腕の振りができれば、安楽投手は過去の怪物を上回る事になる。

 

「ドラフト1位」のために

 既にドラフト1位は確実と言ってよいが、ドラフト1位の条件としては、「素質」「実績」「ケガの無さ」などが上げられる。188cm90kgから157km/hを投げる素質と、18Uなどの実績は既にドラフト1位として申し分無いレベルとなっている。あとは「ケガ
」で、昨年秋に肘の痛みを訴えてひやりとさせている。そのケガは回復しているというが、1箇所けがをするとそれをかばって他の場所をケガしたり、フォームを崩したりといろいろな影響が出てくる。

 まずは、今年の春にこれまでどおりのピッチングができるかどうかを示す必要がある。さらに、今年1年間をケガ無く投げ通す必要がある。そのために、ケガをしないためのフォームやトレーニング、体のケアも大切になる。

 

 3つの目標に向けて安楽投手がどんな答えを見せるか、非常に楽しみだ。

 

 「背中で引っ張る。ただ単に野球がうまい、センスがある、スピードが出る、本塁打が打てるというキャプテンではダメだと思っています」

 エース、4番、主将として挑む、高校生活最後の1年はすでに始まっている。14年のアマ球界は、間違いなくこの男を中心に回る。計772球の力投が光った今春選抜で準優勝。夏の愛媛大会では自己最速157キロを叩き出した。右肘の違和感を訴えた秋の同大会は西条に惜敗し来春選抜出場は絶望的な状況だが、心は切り替わっている。

 「入学後、(上甲)監督さんとかわした約束が3つあります。夏の甲子園優勝、球速160キロ、ドラフト1位。来年の夏にまず2つ達成したい。そしてドラフト1位でプロに行ける選手に」

 3つの夢をすべてかなえるべく、今は走り込み中心の練習を行う。1日のノルマは10キロ。ダッシュだけでこれだけの距離を走る。食生活も改善した。苦手なピーマンも食べ野菜摂取を心掛ける。この冬、体脂肪率は20%から13%まで落ちた。「“このままじゃヤバい”という危機感と“よし、やってやるぞ”という気持ちです」。怪物はさらなる進化を遂げている。

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