上武大・加藤泰靖投手と白鴎大・曽谷龍平投手の投げ合いに11球団27人スカウトが視察

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関甲新大学リーグでは上武大vs白鴎大の優勝を決める試合が行われ、上武大の153キロ右腕・加藤泰靖投手と白鴎大の150キロ左腕・曽谷龍平投手が対決した。この試合には11球団27人のスカウトが視察し、注目を浴びる中の投球となった。

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上武大が勝利

上武大のエース・加藤泰靖投手は、しっかりと溜めを作り、バランスの良いフォームで、時折声を発しながら力強いストレートを投げた。また、フォークボールも「今まで縦の変化がなかった。今日は決め球として使えるようになったのが一番」と話すように三振を奪った。

5回2/3を投げて4安打7奪三振無失点、エース対決に3−0とリードした6回途中で降板したが、チームはその後も攻め続けて8−0で勝利し、大学野球選手権出場を決めた。

この日は阪神が和田TA、畑山統括など4人体制で視察するなど、11球団27人のスカウトが視察をし、加藤投手を評価している。

千葉ロッテ・榎スカウト部長:「変化球でカウントを整えて直球で空振りが奪える」

東京ヤクルト・小川GM:「力のこもったボールを投げ、空振り三振も取れていた。神宮でもまた見たい」

中日・正津スカウト:「今年見た中で一番良かった。ボールに力がある」

今年春先のオープン戦や、リーグ戦序盤も球に力が伝わっていないような印象で、5月8日の平成国際大戦では2回3安打2失点で降板した。「エースとしてチームを勝たせたい、という思いで球を置きにいってしまった。自分中心に考えるとこういう投球になってしまう」と話す。

しかし、チームメイトから励ましと共にコミュニケーションをとり、周りも見れるようになった。「自分もリラックスできて気持ちが楽になりました」と話し、落ち着いて力を出せるようになった。

大学野球選手権では注目投手の1人として、投球が注目される。

白鴎大は優勝逃す

一方、白鴎大の曽谷龍平投手も素晴らしかった。体の芯が強く、全体的に力感をあまり感じさせない中でも初回から150キロを2度記録、ストレートを中心に4回まで1安打と、圧倒的な投球を見せていた。

しかし5回、四球とヒットでピンチになると、2連続死球で押し出し、さらにタイムリーヒットを浴びて3失点した。6回、7回は先頭打者から三振を奪い3者凡退に抑えたものの、8回に連打を浴びたところで降板した。その後、継投した投手が上武大打線を止められず、この回に5点を奪われ試合は決した。

5回の押し出しについて、「1点は絶対やらないという気持ちで投げた中で、走者を出してちょっと焦ってしまいました」と話し、「自分でここ一番の投球ができなかった。調子は悪い方ではなかったんですが」と悔やんだ。

それでも、視察したスカウトからの評価は高い。

東京ヤクルト・小川GM:「右打者へのインサイドがいいから、外へのツーシームが生きる。球が速いし、強い。能力が非常に高い」

阪神・畑山統括スカウト:「長身で左腕であれだけの球速があるのはとても魅力。今の時点では十分入ってくる」

千葉ロッテ・榎スカウト部長:「バランス良くコースに投げられる。今はめりはりができて。打者も差し込まれている」

福岡ソフトバンク・福元スカウト:「軽く投げても球速が出る。真っ直ぐの球質もいい」

左腕ということを除いても、素質の高さや特徴のあるフォームという点では、曽谷投手の方に魅力を感じるスカウトは多いようにみえ、将来、プロ入り後に、この特徴を活かした投球で爆発力がありそうな感じがある。

大学野球選手権出場を逃し、全国の舞台でアピールをする機会は失ったが、「大学日本代表入りを目指して、明日からしっかり練習したい」と、昨年冬に続いて侍ジャパン大学代表候補合宿に呼ばれることは確実と見られ、その中で代表入りをするために練習に取り組む。

曽谷投手は昨年のドラフト候補でいうと、西武にドラフト2位で指名された筑波大の佐藤隼輔投手クラスの評価は間違いなさそうで、ドラフト2位までには確実に入ると思われ、状況次第では12人に入ってくると見られる。

加藤投手も力強さが出てきており、現時点ではドラフト3位前後と見るが、選手権の投球で2位までの指名確実となりそうだ。

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ロッテの榎康弘スカウト部長は「変化球でカウントを整えて直球で空振りが奪える」と加藤の投球術を高く評価していた。

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それでも、スタンドで視察したスカウトは一様に高い評価を並べた。ヤクルト小川淳司GMは「右打者へのインサイドがいいから、外へのツーシームが生きる。球が速いし、強い。能力が非常に高い」。阪神畑山統括スカウトは「長身で左腕であれだけの球速があるのはとても魅力」。ロッテ榎スカウト部長は「バランス良くコースに投げられる。今はめりはりができて。打者も差し込まれている」と話した。

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