社会人野球のJABA日立市長杯では、地元の声援を受ける日立製作所が明治安田に0-1で惜敗した。零封負けとなったが、今春、国学院大から加入したルーキー左腕・飯田真渚斗投手(22=明秀日立)が公式戦初登板初先発をすると、直球と変化球を織り交ぜる投球で9回を投げ抜き、4安打1失点で完投した。
133球の熱投完投、悔やむ「2アウトからの1失点」
飯田真渚斗投手はこの日、初回を三者凡退に抑える最高の立ち上がりを見せたが、2回に2死を簡単に奪いながら安打と死球で一、二塁のピンチを招き、明治安田の8番・森川選手に中前適時打を許した。結果的にこの1点が決勝点となってしまった。「2回の1失点が本当に悔しい。ランナーが2アウトから出て、投げ急いでしまった。その分、少し甘く入ってしまった(スポーツニッポン)。」と、自らの隙を厳しく振り返った。
それでも、その後は140キロ台後半の直球にツーシーム、チェンジアップを織り交ぜ、5回から9回までの5イニングを無安打に抑え込む圧巻の投球を見せ、国学院大時代にも経験がなかったという9回完投を果たした。「9回を投げきったことが一番良かった。初めての公式戦登板ということで空気感や、簡単には勝てないことを思い知らされました(スポーツニッポン)。」と、敗戦のなかに確かな手応えを刻んだ。
林監督が全幅の信頼、「今年の主戦。投手陣を引っ張ってほしい」
チームの今年の公式戦2戦目で、新人を先発投手に抜擢した林治郎監督は試合後、「本当によく投げた。今年の主戦になりうる投手。うちの投手陣も引っ張ってほしいという意味も込めて先発させましたし、ゲームを預けました(スポーツニッポン)。」と、敗戦にも関わらず、十分な手応えを感じていた。
日立製作所の投手陣再建において飯田投手の存在は不可欠だ。150キロを計測する地力に加え、最後まで球威が衰えないスタミナ、そして大舞台での物怖じしないマインド。社会人の高いレベルのなかで、早くも「一本立ち」を証明したマウンドとなった。
地元・茨城への恩返し、恩師・金沢成奉監督との誓いを力に
飯田投手が日立製作所への入社を決めた最大の理由は、故郷でのプレーだった。「一番の理由は地元で投げられること。地元でお世話になった方に恩返しという意味で投げていきたい(スポーツニッポン)。」球場から車で30分ほどの距離に実家があり、この日は家族や会社の部署の同僚も応援に駆けつけた。登板前日には、母校の明秀学園日立高を訪問し、金沢成奉監督からハッパをかけられたという。
地元での恩返しとなる投球をして「野球で活躍することで会社に貢献したい(スポーツニッポン)。」と話す。完投負けという悔しさも、大きなゴールへのスパイスとなる。まずは日立製作所を東京ドーム(都市対抗)の頂点へと導くこと。そして来年のドラフト会議で「即戦力左腕」として指名を受けることも期待される。
大卒社会人の選手が2年目にドラフト会議で指名されるには、1年目の活躍が大きく物を言う。最速150キロの左腕が、東京ドームや京セラドームのマウンドで唸りを上げれば、来年は注目投手としてドラフト指名解禁年を迎えることができる。
【飯田 真渚斗】 プロフィール
- 氏名: 飯田真渚斗(いいだ・まなと)
- 所属: 日立製作所(新人・1年目)
- 出身: 茨城県(明秀学園日立高-國學院大卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 175cm、78kg(推定)
- 主な特徴や実績: 最速150キロを誇る本格派左腕。明秀日立高時代は甲子園出場こそないが、好左腕として注目された。國學院大を経て地元・茨城の日立製作所へ。公式戦初登板初先発で9回1失点の完投。高い制球力と勝負根性を併せ持つ2027年ドラフト候補。








コメント