2013年のドラフトのゆくえ(大学生編)、九共大・大瀬良大地投手に注目が集まりそう

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 大学生投手はここ数年、ドラフトの目玉の役割を担ってきた。2010年は斎藤佑樹、大石達也、沢村拓一、2011年は藤岡貴裕、野村祐輔、菅野智之(2012年)、2012年は東浜巨投手、福谷浩司。例年なら東京六大学のエース、東都リーグのエースがその役割を担うのだが、来年はこの2リーグに絶対的エースがいないという、厳しいドラフトが予想される。

投手の候補

 明治神宮大会で桐蔭横浜大が、東都リーグの王者亜大と東京六大学の王者法大を破って優勝したことが、象徴している気がする。

 東京六大学を見ると、ドラフト候補と見られるのは明大・岡大海投手、慶大・白村明弘投手くらいしか挙げられない。しかも岡投手は野手としての評価が高く、それこそ二刀流だがリーグ戦では3期で3勝3敗という実績、白村投手は今秋4勝2敗と活躍したが、ブランクもありまだ7勝しかできていない。最終年度に大活躍を見せるかもしれない素質を持っているが、ドラフトの目玉にはまだまだなり得ないと言えるだろう。早大・横山貴明投手がようやく活躍を見せ始め期待している。

 東都大学リーグを見ても、ドラフト候補と見られるのは青学大・斎藤英輔投手、亜大・九里亜蓮投手が挙げられる。斎藤投手は150kmを連発するリリーフで、抑えの欲しい球団はドラフト1位の可能性があるが、目玉になるにはやはり先発としての実績も欲しい。九里投手は東浜巨投手を抜き防御率1位を獲得したものの、球威、変化球などを見てもドラフトの目玉とはいえない。

 そういった中で人気が集中しそうなのが、九共大・大瀬良大地投手だろう。既にオリックスがドラフト1位を決めているようだが、186cmから投げられる152kmのストレートは低めに決まり、多彩な変化球もある。1年生から活躍を続けリーグ戦では29勝1敗と絶対的エース。全国大会でもドラフト1位で指名された投手達と投げあいを演じた。ドラフトの目玉となりそうだ。

 それ以外に特Aを付けられる投手がいない。ただし、國學院大・杉浦稔大投手は188cmの長身から投げる146kmのストレートで、今春に1部昇格すると今秋には4勝を記録、1部でも通用する力を見せた。また、横浜商大・岩貞祐太投手、西宮悠介投手も左腕という事もあり、ドラフト上位に挙がってくるだろう。愛知学院大・萩原大起投手や関西の雄・立命大の工藤悠河投手、福岡ソフトバンクがリストアップしていると言う四国学院大の148km右腕・高野圭佑投手など、地方リーグの投手に期待がかかる。

 隠し玉としては山梨学院大・高梨裕稔投手。ある人に教えられてみてみたが、186cmから145kmを記録する速球は楽しみ。リーグ戦で5勝1敗、関東地区大学野球選手権にも出場し勝利を挙げるなど実績も残しつつある。

野手の候補

 今の大学野球は全体的に投高打低、かつての小久保裕紀、井口忠仁、高橋由伸のようなホームラン記録で大学野球界を盛り上げるような選手が現れなくなった。それはプロも一緒で和製大砲の出現を求めており、野手のドラフトの目玉になるにはやはり長距離が求められそうだ。

 スラッガー候補で言うと、富士大・山川穂高選手が挙げられる。175cmだが90kg前後のどっしりした身体から長打を狙うスラッガータイプで、飛距離は十分。アジア選手権の合宿でJR東日本のドラフト候補、白崎勇気投手からホームランを放つなど、好調を維持している。また山川選手はアベレージを残す確実性もあり、野手の中で上位候補といえるだろう。

 また、明治大・中嶋啓喜選手は、2年生の春に2発、秋に2発、秋には打率も.367でリーグ4位、打点は16で打点王に輝き、期待をしてたのだが、3年春に打率.138、ホームラン0と低迷してしまった。秋に再び2本塁打を記録したが、打率は.239、打点8とまだまだ本調子ではない。今の大学野球で3期で2本塁打というのは多い方なのだが、成績にムラが出てしまったのが影響しそうだ。

 ドラフト上位候補になりやすい捕手では福岡大・梅野隆太郎捕手が注目される。172cmと小柄だが高校時代は通算24本塁打とパンチ力があり、大学では高い打率を残し代表メンバーの常連となっている。肩も強く上位に入ってくる。

 また巨人が2位で大累進選手を指名したように、大学でもリードオフマンタイプが揃う。来年では大体大・大畑建人選手の名前が挙げられる。松葉貴大投手や宮川将投手と共に全国大会に何度も出場し、今秋の明治神宮大会でも優勝した桐蔭横浜大との対戦で3塁打、2塁打を放ち、強い打球と俊足を印象付けた。注目候補になってくると思う。

 前述の明大・岡大海選手に広島などは野手として高い評価をしており、候補に入ってくると思う。

 全体的に目玉選手が少ない印象の大学生、しかし、高い能力を持った選手達がいるのも事実。来年1年間でドラフト目玉候補になるには相当な活躍が必要だが、そういう選手が出てきてくれると信じたい。

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