享栄の152キロ左腕・東松快征投手が、大阪桐蔭との練習試合に先発し、最速147キロのストレートで押して5回2安打6奪三振無失点の素晴らしい投球を見せた。この試合には11球団28人のスカウトが視察をしている。
記念事業
報道されていたように、この日は愛知享栄学園の110周年記念事業として、バンテリンドームで大阪桐蔭を招待し、学園が運営する享栄高校と栄徳高校の両校と対戦した。午前中に行われた試合では栄徳が7-2で大阪桐蔭に勝利した。
そして午後に行われた享栄vs大阪桐蔭の試合、享栄の152キロ左腕・東松快征投手と、大阪桐蔭の148キロ左腕・前田悠伍投手との、ドラフト1位候補左腕対決も期待されたが、前田投手はコンディション調整中のために登板せず、試合前に東松投手と談笑し「お互いけがに気をつけて、絶対甲子園で対戦しような」などと話したという。
先発した東松投手は初回、1番の笹井選手の初球にいきなり147キロを記録し、スタンドがざわめいた。空振り三振を奪うと7球で三者凡退に打ち取る。しかし、「先週ぐらいから直球がシュート回転していて、初めて直球で悩んでいた。不安だったが球場に入るとワクワクして、キャッチボールやブルペンで感覚が戻った。」という状態だったという。
そして2回には足がつるなどいつもと同じ状況ではなかった。ストレートがいつも通りでないと見ると、この夏にために磨いていたフォークボールなど変化球主体のピッチングに切り替え、4回には3番・南川選手、4番・ラマル選手を変化球で連続三振に斬った。5回には2アウト1塁の場面で146キロのストレートで見逃し三振を奪い、ここでマウンドを降りた。試合は7回で打ち切りとなり、4-1で勝利した。
「途中で足がつったり、直球の出来もまだまだだけど、調子が悪いなりにも抑えられた。日本一の高校相手にすごく自信になる」とこの試合を振り返り、大きな自信を掴んだ。
11球団28人スカウト
この試合には一般の観客は入れなかったが、11球団28人のスカウトのスカウトがスタンドに座り、東松投手の投球に視線を向け、阪神・畑山統括スカウトら編成幹部クラスも視察をした。
東京ヤクルト・小川GM:「腕の振りがいい。直球もいいし、変化球にも切れがある。将来性があり、非常に楽しみ」
巨人・水野スカウト部長:「素晴らしい。直球と変化球のコンビネーションで組み立てられるいい投手」
千葉ロッテ・榎スカウトグループディレクター:「強弱をつけて投げていた感じだったが、力を入れた時のボールは強い。カーブ、スライダーでストライクを取れる点もいい」
中日・清水スカウトは「横の体重移動ができていて成長を感じる。硬いマウンドにも対応できていた」
おそらく、指名するなら上位というのは確定したのではないかと思い、ドラフト1位指名の可能性が高まったのではないかと思う。特に将来の左のエース獲得を目指すチームとして、1位指名の線が濃くなったかもしれない。
バンテリンドームで登板し、大阪桐蔭を抑えた東松投手。「プロが実際に使う球場でワクワクしました。プロに入ればこういう広い球場で毎日投げられる。ドラフト1位でプロに行きたい気持ちがすごく強くなった」と話した。
今秋ドラフト1位候補に挙がり、NPB11球団28人のスカウトが視察に訪れた。阪神・畑山俊二統括スカウトら多くの編成幹部が熱視線を送る中、ヤクルトの小川淳司GMが「腕の振りがいい。直球もいいし、変化球にも切れがある。将来性があり、非常に楽しみ」と話せば、巨人・水野雄仁スカウト部長も「素晴らしい。直球と変化球のコンビネーションで組み立てられるいい投手」と高評価した。
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