西濃運輸が優勝、橋戸賞に佐伯尚治投手、久慈賞に小野和博投手

小野和博, 横山弘樹, 伊藤匠, 佐伯尚治

 都市対抗野球は西濃運輸が初優勝を果たして幕を閉じた。ベテランの佐伯尚治投手が富士重工打線をわずか3安打に抑えて9つの三振を奪い、完璧に抑えた。

ベテラン投手

 この日は佐伯投手のピッチングにつきる。再度からスナップを利かせ、内角外角にストレートを投げたかと思えば、そこから横にスライドする球を投げたり、緩く沈むボールでタイミングを外したりと変幻自在で、富士重工打線が術にかかっていくのが手に取るようにわかった。

 佐伯投手は社会人9年目、2006年に西濃運輸に入部している。九産大九州から九産大でプレーし、若い時はドラフト候補として名前が挙がっていた。現在では年齢もありドラフト候補として名前が挙がる事はほとんどないが、これだけのピッチングを見せられると、プロの打者を相手に通用するのか見てみたくなる。

 また同学年のトヨタ自動車から補強された佐竹功年投手も2完投して優勝に貢献した。東海地区では無敗で勝ち上がり第一代表に、そして本大会でも優勝し無敗で頂点まで駆け上がった。その優勝にはベテランの力があった。

 

富士重工、また準優勝

 富士重工は昨年秋の日本選手権で、東明大貴投手を擁して準優勝をしている。今年は東明大貴投手が抜けたものの、桐蔭横浜大の後輩で、明治神宮大会で全国制覇をしたエース・小野和博投手が入部して都市対抗に臨んだ。

 小野投手は期待にこたえて2勝を挙げて敢闘賞にあたる久慈賞を獲得し、チームを準優勝に導いた。しかしチームにとっては2季連続の準優勝となり、悔しさも味わった。

 チームは日立製作所から補強した猿川拓朗投手や、新日鐵住金鹿島から補強した石崎剛投手が活躍した。富士重工はまだ日本選手権の出場権を得られていない。日立製作所、新日鐵住金鹿島も同じく出場権を得ておらず、予選で対戦することになる。今度は強力なライバルとして立ちはだかる投手になる。

 

若獅子賞に3人

 若獅子賞には、小野和博投手、NTT東日本の横山弘樹投手、西濃運輸の伊藤匠選手が選ばれた。小野投手、横山投手は共に桐蔭横浜大出身のルーキーで、同じ出身大学から同時選出された。

 伊藤匠選手は岐阜経済大出身の内野手で今大会は20打数11安打、打率.550を記録、特に準々決勝4打数2安打、準決勝で4打数3安打、決勝も4打数2安打と当たりまくった。こちらも来年のドラフト候補に入ってくるかもしれない。

 「つらい時期もあったけど、きょう勝って全てが報われた。最高の気分です」

 1失点完投した東京ガスとの準々決勝から中1日。9年目、31歳の右腕は横手から両コーナーの低めを丁寧に突いた。直球は130キロ台前半でも計測不能のスローカーブで緩急をつけてほんろう。シンカー、スライダー、チェンジアップもさえて散発3安打。二塁も踏ませず9奪三振、無四球でシャットアウトして橋戸賞に輝いた。

 最後までチャンスをつくれなかった。散発3安で零敗を喫した富士重工・水久保国一監督は「悔しいです。(準決勝までの)4試合はいい形で投手を攻略できたが、決勝で佐伯君を捉えきれなかった」と悔やんだ。


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