三菱重工名古屋、三菱重工広島が今年までで事実上の廃部

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2018年のドラフト会議で福岡ソフトバンクの2位で指名された杉山一樹投手などを輩出した三菱重工広島、同じく2018年に中日の3位で指名された勝野昌慶投手などを輩出した三菱重工名古屋が、今年をもってその歴史にピリオドを打つ。

強化の一環

三菱重工は会社のスポーツ部活動について、グループ会社であるサッカーの浦和レッズを頂点に強化をしていくという方針を打ち出し、野球部については2021年から現在の4つの部を2つに集約することを決めた。三菱重工広島と三菱重工名古屋を廃部し、三菱重工神戸・高砂と三菱重工横浜の集約する。

チーム関係者によると、この方針は2月中に選手などには伝えられているといい、今後はアンケート調査などを行い、競技続行を希望する選手は、横浜、神戸・高砂に移籍をする。

三菱重工名古屋は1953年に創部し、都市対抗に26度出場し準優勝1回、日本選手権に9度出場し優勝1回の成績を残している。プロには勝野投手の他、2014年に巨人に3位で指名された高木勇人投手、福岡ソフトバンクで活躍した本多雄一選手(現1軍内野守備走塁コーチ)などを送り出した。

三菱重工広島は1946年に創部され、都市対抗に16度出場し優勝1回、日本選手権に17度出場しベスト4が2回という成績を残した。プロには杉山投手の他、2017年東京ヤクルトドラフト2位の大下佑馬投手の他、2011年横浜ドラフト7位の松井飛雄馬選手、1996年近鉄ドラフト3位の礒部公一選手などを送り出している。

強化の一環というが、事実上のチームの統合による縮小となり、最近は新規参入するチームも出てきた中で、名門チームが無くなることは非常に寂しい。

選手の育つ可能性は小さく

三菱重工は、2016年に三菱重工長崎を三菱日立パワーシステムズに統合させた。今回もこの流れの一つだろう。三菱日立パワーシステムズは選手層が非常に厚く強いチームとなったものの、試合に出場できる選手は当然限られるようになった。プロに行く選手ならばチームのポジション争いで勝つくらいじゃないと、という事もあるだそうが、社会人の選手だって試合に出て成長をする。

例えば三菱重工神戸・高砂では、社会人野球のレジェンド・守安玲緒投手がエースとして活躍を続けた(昨年に引退)が、その分、若い選手の試合での出場ができない事になる。チーム数が減れば、その分、選手の育つ可能性は少なくなると言える。

社会人野球では経済状況により、河合楽器、たくぎん、熊谷組、日産自動車、三菱ふそう川崎、シダックスなどが休部・廃部となり、東芝府中、日通名古屋、NTT系のチームなども統合などを経て無くなっていった。

北海道ガスやJPアセット証券など新規参入チームに期待をしたいが、プロでは王貞治氏のプロ16球団構想もあり、これから2030年までの10年間に社会人野球のカテゴリーがどのように変わっているのかはなかなか想像ができない。

しかしいずれにしても、今はまともに野球の大会ができない状況ではあるが、今年は三菱重工名古屋と三菱重工広島の最後の有志を目に焼き付けたい。

三菱重工名古屋のドラフト候補選手の動画とみんなの評価
三菱重工広島のドラフト候補選手の動画とみんなの評価

OBの勝野は「寂しい。応援していたので。僕が野球部出身の最後のプロ野球選手になるかもしれないので、スタジアムの電光掲示板に『三菱重工名古屋』の文字がいつまでも表示されるように活躍していきたい」と話した。

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コメント

  1. 私は今、広島県で従事しております。
    楽しみは野球観戦!!
    知らなかっただけに三菱重工広島の硬式野球部廃部、本当に残念です。

    三菱重工広島は中国地区でも強豪チ-ム。
    三菱重工広島のチ-ムが無くなって中国地方の野球のレベルが下がらないように広島県、中国地方の硬式野球チ-ムはこれまで以上に頑張ってもらいたいです。
    都市対抗予選見に行きます。