高校野球茨城大会では霞ヶ浦の遠藤淳志投手が登板し、視察した日米9球団のスカウトが注目した。
謙虚に140キロ
取手松陽を相手に6-0と点差をつけた9回、184cm右腕の遠藤淳志投手がマウンドに上る。ゆっくりとしたフォームから堂々と速球を投げ、球速は140キロだったが、相手バッターを全く寄せ付けないピッチングを見せた。
「緊張して力が入ってしまったが、自分なりにいいボールを投げられた」と話す遠藤投手、春の大会で好投を見せてからあちこちで取り上げられることが多くなり、いろいろなことを意識しすぎて調子を崩していた。しかし高橋監督から「謙虚になれ」と言われ、この日も応援に訪れていた1年先輩のオリックス・根本薫選手からも「注目されても浮かれるな」とアドバイスをされていた。まずは1イニングを3人で抑える安定したピッチングで勝ち上がり、これからも謙虚に戦っていく。
スカウト絶賛
わずか9球の登板だった遠藤投手のピッチングだったが、視察に訪れていた日米9球団のスカウトからは、絶賛の声が挙がった。
オリックス・牧田勝吾チーフアマスカウト:「堂々としたマウンドさばきだった。あの体のバランスは育てたい素材」
福岡ソフトバンク・宮田スカウト:「センスがあり制球に苦労しない。伸びしろはすごくある。」
横浜DeNA・河原スカウト:「緩急の使い方が良い。楽天岸のようになりそう」
アストロズ・大慈弥スカウト:「将来のメジャー候補の一人にピックアップしました」
投球フォームのバランスが良く、将来、必ず伸びるという期待をさせる遠藤投手、プロ志望をすれば間違いなく指名される所にいると思う。
古田島投手は登板せず
この日の試合ではスカウトが見たい投手がもう一人いた。取手松陽の古田島成龍投手は小柄ながら147キロの速球を投げる投手で、茨城屈指の速球派だった。
しかしこの日は1回戦に続き3番ファーストで出場し4打数ノーヒット、1回戦も、この日も登板がなくチームも敗れ、最後の夏の登板は無かった。
3月上旬に古田島選手はチームメイトのバットが頭部に直撃して陥没骨折をし、3月9日に手術をしたという。その後、回復を見せ春の大会では146キロを記録したが、首にも影響が残り、右肩が張る後遺症があるという。この日も肩の血行をよくしようとネックウォーマーと長袖をつけて就寝し、何とか登板しようとしていたが難しかった。
古田島投手は大学進学を希望し、「できればピッチャーをしたい」と話す。大学のマウンドで、力強い球を投げている姿を待ちたい。
関東屈指の右腕は自己最速に2キロ迫る140キロを計測し、「真っすぐは自分なりに走っていた」と手応えを得た様子。オリックスの牧田勝吾チーフアマスカウトも「堂々としたマウンドさばきだった。あの体のバランスは育てたい素材」と高評価した。
古田島は今年3月上旬、練習中にティー打撃をしていたチームメイトのバットが頭部に直撃。右こめかみを陥没骨折した。
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