春季高校野球静岡県大会では、4季連続の県王者を目指す聖隷クリストファーが沼津商を3-1で下し、ベスト16進出を決めた。高校No.1左腕と評価される高部陸投手(3年)が、自己最多を大幅に更新する「19奪三振」の完投勝利。先発全員かつ毎回の三振を奪う投球で夏のシード権を確定させた。既に進学を表明しているが、ネット裏に集結したプロスカウトも、その投球に絶賛の声が聞かれた。
毎回の19奪三振、圧倒的な支配力
高部陸投手は初回、いきなり2つの三振を奪って幕を開けた奪三振ショー。持ち味である高めの直球を軸に、鋭く曲がるスライダーを織り交ぜ、5回までに11Kを積み上げた。圧巻は6回、プロ注目同士の対戦となった沼津商の主将、後藤幸樹捕手(3年)との対決だ。高部投手は一切の隙を見せず、自慢の直球で後藤選手のバットに空を切らせた。終わってみれば9イニングで19奪三振。昨秋の県大会決勝で記録した13Kを遥かに上回る快投だった。
高部陸投手は「投げていて楽しかった。コースにちゃんと投げ込めたのが一番良かった。きょうは全部の球種が良かった。5回までに2ケタいっていたので、途中から(三振を)数えていました。19は多すぎですね。ボールが全部良かったです。」と、充実した表情で振り返った。奪ったアウトの3分の2以上が三振という内容は、まさに「一人舞台」と呼ぶにふさわしいものだった。
巨人スカウトも驚嘆、「噂通りいい投手」
ネット裏には、阪神、巨人などNPB4球団のスカウトが集結した。特に複数人態勢を敷いた巨人のスカウト陣は、この日は最速146キロを計測した高部投手の投球について、数字以上の威力を感じさせる直球と、それを制御する高いマウンド捌きに、初見の幹部からも賛辞が送られた。
巨人・井上真二スカウト部次長:「噂通りいい投手ですね。素晴らしいピッチングでした。」
沖縄尚学の末吉良丞、横浜の織田翔希、山梨学院の菰田陽生とともに「高校四天王」と並び称される高部投手。代表合宿で末吉投手から伝授された縦のスライダーの意識も、この日の快投に確実に活かされていた。技術的な向上はもちろん、勝負どころで一段ギアを上げるエースの風格を見せた。
夏のシード権獲得。「まだまだ上がる」149キロ到達へ向けた野望
この勝利により、聖隷クリストファーは夏の静岡大会のシード権を確保した。目標とする「4季連続の静岡制覇」に向け、最高のスタートを切った形だ。次戦、25日の3回戦では古豪・静岡商との対戦が控えているが、「(状態は)まだまだ上がりそう。球速も148とか49が出そうな感じはあります。公式戦で経験することが大事。ひとつひとつ勝っていきたい。」と話した。
既に進学を表明している左腕投手だが、この圧倒的な力を見せても進路は変わらないだろうか。そう思えるくらいの投手だ。
【高部 陸】 プロフィール
- 氏名: 高部陸(たかべ・りく)
- 所属: 聖隷クリストファー高校(3年)
- 出身: 静岡県(浜松南シニア出身)
- ポジション: 投手
- 投打: 左投左打
- 身長・体重: 177cm、75kg
- 主な特徴や実績: 最速147キロ。2026年U18日本代表候補。昨夏の甲子園初出場を果たした聖隷のエース。2026年春季静岡大会2回戦で自己最多の19奪三振完投勝利を挙げた。スピンの効いた直球と鋭いスライダー、カーブを操る。高校四天王の一人に数えられる。










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