菅野智之投手、2年越しの巨人入り

菅野智之, 東海大

 巨人・菅野智之投手がついに誕生した。3年前となる2010年12月に巨人が菅野智之投手の1位指名を公表してから2年、様々な想いが重なる中での誕生だった。

 「試合で投げたい。その思いを1年間ためてきた。一日でも早く野球がしたい」と菅野投手は口にした。自分が選んだ道とはいえ、東海大で練習はできたものの、同期はおらず、試合にも出られず、孤独に自らのローテーションを守りながらやってきた。今年のドラフトで再び巨人以外の球団が交渉権を獲得した場合には、「野球がやれるならどこでも」と思ったこともあったらしいが、それほど過酷な道だった。

 「ケガなくローテーションを外れないように。年間を通して活躍できれば、それなりの数字や結果がついてくると思う」と話した。去年ならば間違いなく自信を込めていえた言葉だっただろう。157kmの速球とキレのあるスライダーで高いレベルで安定感のある投球ができ、大学日本代表でもエースとして活躍していた。しかし、今年は1年間実戦経験がない。「体の強化をやってきた。衰えはまったくない」と話したが、実戦での経験はこれから取り戻していく事になる。

 こんな菅野投手を「かわいそう」とは思わない。自分が選んだ道だから。たぶん本人もそんな風に思われたくないだろう。来年は1歩先を行く同期を追いかける。既に広島の野村祐輔投手は9勝を挙げ、また千葉ロッテの益田直也は72試合に登板し41ホールドを上げ、共に新人王を獲得した。巨人では高木京介が中継ぎ左腕として首脳陣からも絶対的な信頼を得ている。

 大学時代には間違いなく頂点だった右腕が追いかける立場になる。この1年間以上の高いハードルで、この1年間以上の厳しい戦いとなるだろうが、それでも野球ができる喜びがそれを克服させてくれるだろう。この1年間の思いと苦しみが背中を押してくれるだろう。

 

 1年間浪人しての念願の巨人入り。晴れ晴れした表情で仮契約を終えた菅野は、正捕手であり主将の阿部について「チームの柱というイメージ。阿部さんに投げるということを想像すると、凄くワクワクします」と胸をときめかせた。

 

 「試合で投げたい。その思いを1年間ためてきた。一日でも早く野球がしたい」。阿部とのバッテリーを夢見る右腕の目標は新人王。今季は大学時代にしのぎを削った同学年の広島・野村が獲得。「ちょっと遠い存在になってしまったかなという思いもあるが、それ以上に絶対に負けたくない気持ちがある」と対抗心をのぞかせた。

 

 実戦から離れた1年間も「体の強化をやってきた。衰えはまったくない」。下半身中心のトレーニングで、ユニホームのズボンはサイズアップ。「ケガなく、(1年間)ローテーションを外れないように。年間を通して活躍できれば、それなりの数字や結果がついてくると思う」と言葉に力を込めた。「(巨人は)日本一にふさわしい人間が求められる。乗り遅れてはいけない」。背番号19に新人などという概念はない。

 都内のホテルで入団交渉を終えた菅野の表情は、プロへの希望に満ちていた。「どんどんモチベーションは上がってきています。野村が新人王を取ったように、自分もそういう目標を持ってやっていきたいです。ちょっと遠い存在になってしまいましたが、それ以上に絶対に負けたくないという気持ちがあります」。広島・野村とはメールをやりとりする友人で、ライバル心を隠さなかった。

 

 野村の「すごさ」は、どこにあったのか。答えは明確だった。「一回もローテーションを外れることなく、守り続けたところ。だから、ああいう数字がついてきたのかなと思う。自分もそこを目指して、数字が残ればいいと思います」。巨人では今季は内海、昨年は沢村しか達成できなかった「1年間のローテ死守」。難しい課題をあえて自らに課したが「そうならなければウソだと思っている」と言い切った。


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