アマチュア野球は高校野球のセンバツ大会が終わり、大学野球と社会人野球の春のシーズンが幕を開けた。今年のドラフト1位候補に名前が挙がる選手たちの戦いをまとめる。
センバツでは奥川投手一歩リードも
センバツに出場したドラフト1位候補は、高校四天王と言われる4人のうちの二人、星稜の奥川恭伸投手と、横浜の及川雅貴投手だった。そのうち奥川投手は履正社との初戦で17奪三振完封勝利、151キロの速球に多彩な変化球と抜群の制球力も見せ、昨年よりもさらに1ランク上がった投球を見せた。これにはスカウトも度肝を抜かれ、来年の開幕投手になれるという評価となった。
一方、及川投手は練習試合で153キロを記録したという話題もあり、センバツでも146キロの速球と鋭いスライダーは評価は落ちない。しかし、制球に苦しんで、またストレートとスライダーの単調な投球になってしまい、失点を重ねた昨年秋の関東大会と同じような投球になった。体はさらに大きくなっているがまだフォームが固まっていない。奥川投手に差を付けられた形となった。
しかし、これらの話題をすっかりさらってしまったのが大船渡の佐々木朗希投手、今季初登板となった練習試合で156キロを記録すると、U18代表一次候補合宿では163キロを記録、代表候補のバッターを6者連続三振、奥川投手を1段階も2段階も置き去りにしてくような投球を見せた。
センバツに出場できず、U18代表での投球が同じく注目された西純矢投手も、候補合宿では佐々木投手に次ぐくらいの球速を記録してアピールしたものの、佐々木投手の投球にかき消されてしまった。その中で、熊本大会で140キロ中盤から後半を連発し、1安打19奪三振完封勝利を挙げた浅田将汰投手はアピール点を奪った。
アピール度で言えば奥川投手が先制し、及川投手が失点、そんな中で佐々木投手が豪快な逆転満塁弾を放ち、西投手が打点を挙げたものの追いつけず、という所か。
一方、社会人では東京スポニチ杯の登場した東海理化の立野和明投手が球の力と内容でアピールし、またJFE西日本の河野竜生投手も内容的に好投を見せともに先制点を奪った。そして今後は、社会人投手の本命・JR東日本の太田龍投手がどこで力を入れてくるか。
そして先週から始まった大学野球シーズンでは、東海大の原田泰成投手、北山比呂投手などが登板する中で佐々木投手の視察で関西に集まっていた村西良太投手が抜群のアピールを見せた。すでに2勝を手にし、今季は6勝くらいを挙げて成績的にも大きなアピールとなる。
今週開幕する東京六大学の明治大の森下暢仁投手、そして4月下旬以降に開幕する東北・北海道などで、東北福祉大の津森宥紀投手が登場する。
野手でもセンバツで東妻純平捕手、星稜の山瀬慎之助捕手が力を見せ、東海大・海野隆司捕手が順調に力を見せた。これから東洋大・佐藤都志也捕手、慶応大・郡司裕也捕手、そして近江の有馬諒選手などがどんなアピールをするか。
そして忘れていけないのが東邦の石川昂弥選手。センバツ屈指のスラッガーと言われ序盤は打撃でおとなしめだったが、決勝で2本のホームランを放ち、最後に大きくアピールポイントを稼いだ。スラッガータイプの選手では大学、社会人を含めても筆頭格になりそうだ。
全く個人的に、今年のドラフト1位で獲りたいと思うのは、今のところは佐々木投手、奥川投手、西投手、海野捕手の4人。
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