さわかみ関西独立リーグ・姫路イーグレッターズの前田大輝投手(22)が、今秋のドラフト戦線で「隠し玉」として注目を集めている。今春に筑波大を卒業して一般企業に就職し、休日を利用して登板日にチームへ合流する異色の「無給独立リーガー」。主に先発として12試合で防御率1.89の好成績を残し、最速151キロの直球などに、阪神、中日、オリックスなど7球団がマークしている。
平日はサラリーマン、休日は最速151キロ右腕の二足のわらじ
前田大輝投手は今春に関西独立リーグの姫路へ入団したが、三菱重工パワーメンテナンスサービスでサラリーマン生活をスタートさせた新入社員でもある。独立リーグといサラリーマンの二刀流をすることに、会社は「頑張って!」と活動を快諾した。「登板日に有給を使ったり、会社には本当に感謝しています」(スポーツ報知)と感謝を口にする。チームから給料は受け取らず、平日は勤務後に自宅付近を走ったり、ジムに通って体をつくる。
練習や登板も限られた時間で行う中で、今季は12試合に先発し、最速151キロの速球を武器に防御率1.89と安定した投球を見せる。それにはここまでの道が大きく影響をしている。
前田投手は姫路で生まれ育ち、公立進学校の姫路高では1年夏からベンチ入り。3年春から背番号1を背負い、149キロをマークしたが、夏の兵庫大会は初戦敗退に終わった。首都大学リーグの筑波大では3年春にリーグ戦初登板を果たしたものの、最速151キロだった直球は4年時に140キロまで球速が落ちていた。
野球の道を諦めて就職活動を開始したものの、筑波大では、動作解析の第一人者で同大監督の川村卓教授の研究室に所属し、「リリース時における手指の使い方が球速、球質に及ぼす影響」というテーマで卒業論文に取り組んでおり、その執筆中に、野球への思いが高まり、会社は地元球団のスポンサー企業の紹介もあって独立リーグ・姫路への入団が決まった。
論文では、ラプソードやスローモーションキャプチャーといった機器を駆使してデータを収集し、「自分がスライダーが得意な理由が分かった」と自身の投球を解明。分析の末に行き着いたのが、あえて回転効率を落とすことだった。それによって変化量が増えるスライダーとキレのある直球のコンビネーションで、リーグ断トツの奪三振率10.47を誇る姫路のドクターKとなった。
元オリックスの海田智行監督が太鼓判「あとは運や巡り合わせ、というレベル」
姫路は、オリックスでNPB通算276試合に登板した海田智行監督(38)が務めており、海田監督は「プロの世界に入って苦労するのは対応力、適応力。そこのジャンルの頭を持っているのが一番ですね」と、データ分析に裏打ちされた前田投手の対応力を高く評価。「球速、球種はすべていい水準が出ている。あとは運や巡り合わせ、というレベルにあると思います」(スポーツ報知)と話し、ドラフト会議で指名されるレベルと評価する。
そして海田監督は、「リーグ優勝、チャンピオンシップ、日本一。前田が(ドラフトで)指名されるのも目標の一つです」と話し、前田投手のドラフト指名を期待する。すでにNPB7球団が視察に訪れており、今秋のドラフト会議で指名される可能性は十分ある。
【前田 大輝】 プロフィール
- 氏名: 前田大輝(まえだ・ひろき)
- 所属: 姫路イーグレッターズ(さわかみ関西独立リーグ・今春入団)、三菱重工パワーメンテナンスサービス勤務
- 出身: 兵庫県姫路市(勝原小2年時に「熊見コンドル」で捕手として野球を始め、中学は硬式の龍野ボーイズで2年から投手に。姫路高―筑波大を経て入団)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 179cm、78kg
- 主な特徴や実績: 最速151キロの直球に、カーブ、縦と横のスライダー、ツーシーム、スプリット、カットボールと多彩な球種を操る右腕。筑波大では動作解析の第一人者・川村卓教授の研究室に所属し、卒業論文で「リリース時における手指の使い方が球速、球質に及ぼす影響」を研究。あえて回転効率を落として変化量を増やすスライダーを武器とし、今季は主に先発として12試合で防御率1.89、リーグ断トツの奪三振率10.47をマークしている。一般企業に勤務しながら休日に登板する異色の二足のわらじで、阪神、中日、オリックスなどNPB7球団の視察を受けており、今秋のドラフトでのプロ入りを目指す。









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