第108回全国高校野球選手権京都大会では、昨秋と今春の京都王者・龍谷大平安の背番号「1」、川島謙心投手(3年)が2回戦の初戦・北嵯峨戦で頂点に向けて滑り出した。今春に急成長を遂げ最速151キロを計測した右腕は、6回から2番手で登板。2イニングを2安打1奪三振、1失点にまとめ、チームは10―2の7回コールドで8年ぶりの夏の甲子園出場へ好発進した。バックネット裏には阪神、巨人、中日、横浜DeNAなど複数球団のスカウトが視察に訪れ、その投球をチェックした。
140キロ台前半も角度と伸びで押し込む、課題残す立ち上がり
8―1と大きくリードした6回、川島謙心投手がマウンドへ上がった。2死から内野陣の立て続けの失策も絡んで1点を返される展開となったが、続く7回は1死から中前打を許しながらも、後続を見逃し三振と投ゴロに仕留めて切り抜けた。この日の直球は140キロ台前半にとどまったものの、身長185センチ、76キロの細身と長い手足を生かして投げおろす球は、角度と伸びで相手打者を押し込んだ。
それでも本人の評価は厳しかった。川島投手は「自分の思う投球が全然できなかった。大会期間中に見直していかないといけない。初戦なんでちょっと緊張があった。雨が続いて投げてなさすぎるというのがあり、体に締まりがなかった。球速ももうちょっと出したいという感じはあったけど、締まりがない分、ここという時の力が早く抜けている。そこを次の試合に向けて締めていきたい」(サンケイスポーツ)と、次戦に向けて改善することを誓った。
川口知哉監督も背番号1の状態を冷静に見つめた。「『体が軽すぎた』みたいなことを言っていたが、やっぱりキレがなかった。ちょっと疲れているぐらいのほうが体もしっくりくる。(次戦まで日が)空くんで、うまいことどうやって調整したらいいか、相談しながらやっていきたい」(サンケイスポーツ)と、次戦へ向けた調整に言及した。
複数球団が視察、阪神スカウトは将来性に好印象
この日はバックネット裏に阪神、巨人、中日、横浜DeNAなど複数球団のスカウトが集まり、川島投手の投球を視察した。2人体制で視察した阪神の岡本洋介スカウトは、力強い直球と制球力に将来性を重ねて評価した。
阪神・岡本洋介スカウト:「直球は力強いし、コーナーに投げ分けている。そこ(将来性)も含めてみている」
この春に急成長した右腕投手は、昨年まで二刀流としてプレーしており、直球の最速は142キロどまりだった。しかし、冬に入って投手に専念すると、フォーム改良にじっくり取り組んだ。それが功を奏し、6月には自校の専用グラウンドでの練習試合で自己最速の151キロを計測した。
プロ野球選手を夢に描きつつも、川島投手は「目標としてはまだまだ先。もっと手の届く範囲で引き付けられるような投球がしたい。高いレベルでやるには常時150キロを出せるようにしないといけない」と、常時150キロ超えを見据えてトレーニングに励む。
火消し役に徹し、8年ぶりの夏へ
昨秋と今春の京都大会を通じて、川島投手は専らリリーフで登板してきた。「頭(先発)は中元(背番号10)に任せて(ベンチから)勇気が出るように声掛けをしてやって。自分はピンチの場面で出されて、そこで抑えるだけです」と、自らの役割を明確にする。先発を仲間に託し、ピンチの火消し役に徹する姿勢が、チームを支えている。
この日は味方の援護で得点差のある試合だったが、次は本来の投球を取り戻して、川島投手の力でチームに勝利を呼び込みたい。そして8年ぶりの夏の甲子園切符へ、最速151キロ右腕の投球が注目される。
【川島 謙心】 プロフィール
- 氏名:川島謙心(かわしま・けんしん)
- 所属:龍谷大平安高校(3年)
- 出身:滋賀・大津市(日吉台小1年時に坂本スポーツ少年団で野球を始め、日吉中では京都ブラックヤングでプレー)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:185cm、76kg
- 主な特徴や実績:2008年5月20日生まれの18歳。細身と長い手足を生かして角度をつけて投げおろす本格派右腕。今春から投手に専念し、6月の練習試合で自己最速151キロを計測した急成長株で、昨秋・今春の京都大会ではリリーフとして火消し役に徹してきた。遠投110メートル、50メートル6秒2の身体能力を備え、複数球団のスカウトから将来性を注目されている。常時150キロ超えを目標に、8年ぶりの夏の甲子園出場を目指す。










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