千葉県内有数の進学校である県千葉高でエースを務める左腕・加賀谷一投手(3年)が、初戦から圧巻の奪三振ショーを演じた。9日に青葉の森球場で行われた夏の高校野球選手権千葉大会1回戦の我孫子二階堂戦に先発し、先発と3番手で2度の登板、計3回2/3を投げて無安打無失点、8つの三振を奪う快投を見せた。初回には自己最速タイの142キロをマークし、チームの9―0、7回コールド発進をけん引した。外科医の母に憧れて医学部進学を志す「県千葉のドクターK」が、この夏だけは野球に全力を注ぐ。
初回から3者連続三振、自己最速タイ142キロの奪三振ショー
1番・投手で先発した加賀谷一投手は、捕手から「いつもより抑えめで、コントロール重視で」と伝えられて試合に入った。しかし、千葉高から近い青葉の森球場だったこともあり応援が多く、「応援でアドレナリンが出てしまって」(日刊スポーツ)と全力で腕を振って初回を3者連続三振で立ち上がった。2死から3番打者への4球目には、球場表示で自己最速タイの142キロを計測し、球場をどよめかせた。
加賀谷投手は春の県大会・磯辺戦で20奪三振を記録して注目されている左腕投手、この日も3回までに毎回の6奪三振。フェアゾーンに打球を飛ばされたのはバントのみで、奪ったアウト11個のうち8つが三振という圧巻の内容だった。「あまり三振は狙ってなかったけど、応援で力が入って速い球がいった」(スポーツ報知)と話した。
左投げ二塁手で守備にも就き、7回は再登板を直訴して連続三振締め
「後輩のピッチングに期待して3回で下がった」(スポーツニッポン)と、3回を終えると温存のため一度マウンドを降り、4回からは二塁、5回には一塁についた。二塁手で左投げでは珍しいが、内野の守備でゴロをさばいた。マウンドを引き継いだ2年生の杉原啓斗投手も4奪三振無失点の好投で期待に応えた。
しかし、自らの投球に納得が言っていなかった。2回と3回に計3つの四球を与えたことで、「このままでは(次戦のシード校)市松戸の前には立てない」(日刊スポーツ)と黒川健太監督(35)に再登板を直訴。ゴーサインを受けて7回1死から再びマウンドに上がると、2者連続の空振り三振で試合を締めくくった。「(今日は)後輩が頑張って投げてくれた。次の戦いでは自分が全部力を出して、勝ち切れるように頑張ります」(サンケイスポーツ)と話した。
外科医の母に憧れる医学部志望、この夏は野球に全力投球
県千葉高は毎年多くの東大合格者を輩出する県下屈指の進学校。練習時間は1日2〜3時間ほどで、グラウンドを他の部と分け合う日もある限られた環境だが、加賀谷投手は「やらなきゃいけないことが絞られるので、自分の長所を伸ばすことができる。疲労がたまりにくい」(スポーツニッポン)と話し、工夫を重ねる中で入学時に131キロだった球速を11キロもアップさせた。
進路は、外科医として働く母・暁子さんへの憧れから医学部が第一志望。「家事をやりながらも当直で呼ばれたり、弱音を吐かずに毎日淡々とこなしているところがすごい」(スポーツ報知)と尊敬の念を口にする。一方で「医師になりたいので千葉大の医学部が第一志望です」と話すも、「東京六大学で野球をやりたいとも思っているので東大も志望校です」(スポーツ報知)と、東大医学部で東京六大学に出場、という事も視野に入れる。
13日の2回戦はシード校の市松戸と対戦する。練習試合を含めて対戦経験があるものの、「毎回惜しいところまではいくんですけど…」(日刊スポーツ)と勝てていない相手だが、「今までは自分勝手なピッチングで負けることが多かったが、今年の夏はチームで野球がしたい」(スポーツ報知)と誓う左腕は、「この夏は勉強は1回置いておく」(日刊スポーツ)と話し、全力で野球に力をいれる。
この夏の千葉の秀才ドクターKサウスポーの輝きを、目に焼き付けたい。
【加賀谷 一】 プロフィール
- 氏名:加賀谷一(かがや・はじめ)
- 所属:千葉高校(3年)
- 出身:徳島県(3歳で千葉県へ移住。京葉ボーイズ→千葉高)
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 身長・体重:174cm、75kg
- 主な特徴や実績:最速142キロの直球で三振の山を築く「県千葉のドクターK」。春の県大会磯辺戦では20奪三振を記録した。偏差値70を超える進学校で1日2〜3時間の限られた練習時間ながら、入学時に131キロだった球速を11キロ伸ばした。小学4年で英検2級を取得した秀才で、外科医の母に憧れて国立大医学部への進学を志望している。夏の千葉大会初戦では3回2/3を無安打無失点、8奪三振の快投で7回コールド勝ちに貢献した。文武両道を貫きながら、次戦のシード校・市松戸撃破を目指す。















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