第108回全国高校野球選手権京都大会の2回戦では、プロ注目で最速142キロ右腕の開建・高宮洸斗投手(3年)が延長11回を一人で投げ抜く195球の熱投を見せ、15奪三振の力投で開建は7-6で日吉ケ丘を下し、初戦を突破。創立3年目の新設校に初めて校歌が流れた。
5点差からの逆転劇、5イニング連続得点で延長へ
プロ注目の高宮洸斗投手だったが、初回に3四球を与えるなど失点し、いきなり苦しい立ち上がりとなった。5回には甘く入ったフォークを右翼席に3ランで運ばれるなど一挙4失点。この時点で1-6と最大5点差を追う展開に立たされた。
それでもくじけなかった。野手からの「信じてくれ」との声掛けに顔を上げると、打線が5回から5イニング連続得点で同点に追いつき、延長タイブレークに持ち込んだ。高宮投手は当時の心境を「ベンチでみんなが『行けるぞ! 絶対取り返してやる』と盛り上げてくれたので。投げていてしんどいとは思わなかったです」(スポーツ報知)と振り返った。
本塁打を浴びてからは、自信のあったフォークを封印。バットに当てられないよう、スライダーも減らして真っすぐで押しに押した。投げるたびに帽子を飛ばす熱投で、8回以降は無安打に抑え込んだ。同点の10回裏を無失点で切り抜けると、1点リードの11回には2三振を奪って試合を締めた。7安打、10四球を与えながらも、6失点(自責5)で11回を一人で投げ抜いた。
195球、15奪三振の完投勝利「アドレナリンが出ていた」
最後は渾身の高めのストレートを投げ込んだ。空振りでこの日15個目の三振を奪い、ガッツポーズが飛び出した。9回終了時点で174球を数え、タイブレークの2イニングも投げ切って計195球。それでも高宮投手に疲れを見せず、「『やったー!』と思いました。うれしい気持ちでした。最後はアドレナリンが出ていました」(スポーツ報知)と充実の表情を見せた。
野口知紀監督は「継投も考えたけれど、投げれば投げるほど、投げられる子なんです。(終盤は)球数を数えるのをやめました」(スポーツ報知)とエースに全幅の信頼を寄せていた。
右肘痛が続いた影響で公式戦登板は今春の2試合のみ。それでも故障期間に鍛えた土台づくりが生き、昨秋から自己最速を約10キロ上昇させる142キロを計測して、182cm右腕はプロ注目投手に躍り出た。チーム方針で普段の投球練習は30球程度と投げ込み量は少なくても、夏初登板でいきなり大仕事をやってのけた。
創立3年目校に初の校歌、目指すは4年後のプロ入り
プロ野球選手を輩出していた塔南の流れをくむ創立3年目の新設校、塔南との連合チームで挙げた2024年以来の夏白星で、初めて開建の校歌が流れた。「やってみたいをやってみよう」という同校のモットーでもある歌詞が鳴り響いた。
高校では故障がちで、今春が公式戦初登板だった高宮投手、春季大会で好投して一躍スカウトから注目される存在になったが、卒業後は大学進学をし、4年後のプロ入りを目指す事を決めている。不完全燃焼が続いた高校生活の最後の夏に、仲間とともにつかんだ白星。「次の試合があることがうれしい」と語る右腕は、許されるまで腕を振り続ける。
【高宮 洸斗】 プロフィール
- 氏名:高宮洸斗(たかみや・ひろと)
- 所属:開建高校(3年)
- 出身:京都市(昴少年野球倶楽部→藤森中・京都ベアーズ)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:182cm、75kg
- 主な特徴や実績:2008年10月29日生まれの17歳。小学3年から野球を始め、藤森中で投手に転向した本格派右腕。右肘痛の影響で公式戦登板は今春が初だったが、昨秋から自己最速を約10キロ上昇させる142キロを計測し、プロ注目の存在に躍り出た。京都大会2回戦では延長11回を195球、15奪三振で投げ抜く完投勝利を挙げた。卒業後は大学進学を決断しており、4年後のプロ入りを目指す。











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