高校野球熊本大会では、熊本工の山口翔投手が登場し、9回11奪三振完投で9回に151キロを記録した。スタンドにはオリックスを除く11球団20人のスカウトが視察に訪れた。
9回に151キロ
熊本工はこの日の1回戦で人吉高校と対戦、エースの山口翔投手が先発した。山口投手は序盤は140キロ前半の球で打たせて取る投球を見せていた。しかし3回に1アウト2，3塁のピンチになると140キロ後半に球速のレンジを挙げ、得意のスライダーで切り抜けた。
6回に味方が点差を4点とした所で、その裏に2つの四球と味方のエラーで2点を失ったが、その後も抑えていく。そして9回、山口投手がスタンドを沸かせた。
9回2アウトなしの場面で「あと一人だなというのと、最後にもう一度気を引き締めるつもりで投げたら、スムーズにタイミングよく力が伝わった」と話すように、きれいなフォームから放たれた投球は、球場の球速表示で151キロを記録した。続く球も150キロを記録し、最後はスライダーで空振り三振。130球以上を投げてからの150キロ連発に、球場も見ていたスカウトも驚嘆した。
9回3安打11奪三振2失点、142球の熱投だった。
プロのスカウト絶賛
この日はオリックスを除く11球団20人のスカウトが視察に訪れた。東京ヤクルトは5人態勢で視察をしている。
中日・石井チーフスカウト：「スライダーが良くなったら、手をつけられない。ドラフト１位は間違いない」
中日・三瀬スカウト：「春とは別格。軸がしっかりして体の芯の強さが出てきた。要所でアウトローに投げられるのは凄い。力を入れたときの球は素晴らしい。昨年の甲子園で化けた作新学院の今井に似ているが、山口君はもう化け始めている。ドラフト上位は堅い。高校生の投手ではトップクラス」
東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク：「センバツから成長の跡が見える」
東北楽天・長島スカウト部長：「素質は抜けている。育成してみたい選手」
巨人・武田スカウト：「柔らかい投げ方がいい。スピードボールが魅力。春に比べ腰回りも体も大きくなった。これからが楽しみです」
福岡ソフトバンク・永山チーフスカウト：「真っすぐの球質が良く、スライダーのキレもある。指にかかった球は高校生離れ。マウンド度胸があるのもプロ向きでしょう。センバツから順調に伸びている。体の強さが抜けている」
千葉ロッテ・山森スカウト：「９回にあれだけのスピードが出るんだから、大したもの。しっかり腕を振ってボールを叩けるようになっているし、フィールディングも良くなっている」
横浜ＤｅＮＡ・稲嶺スカウト「素材は一級品。下半身も一回り大きくなったし、春からの成長度が大きい」
ドラフト候補として早くから名前が挙がってきた山口投手、今年春のセンバツでは智弁学園に11安打8四死球で9失点し、ややがっかりさせたが、そこから1週間に800球の投げ込みでフォームを改善させた。
昨年の作新学院の今井投手と同じく、この夏でドラフト1位指名が確定しそうな感じだ。
2017年度-高校生投手-右投のドラフト候補リスト
2017年度-高校生-熊本県のドラフト候補リスト
ネット裏には、１１球団２０人のスカウトが集結。中日・石井チーフスカウトは「スライダーが良くなったら、手をつけられない。ドラフト１位は間違いない」と絶賛。５人態勢で視察したヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「センバツから成長の跡が見える」。楽天・長島スカウト部長は「素質は抜けている。育成してみたい選手」と評価した。
「あと１人だなというのと、最後にもう１度気を引き締めるつもりで投げたら、スムーズにタイミングよく力が伝わった感じがあった」と最後の最後で武器である速球を披露。
山口、火の国ストレート151キロ 西日本スポーツ紙面 2017/7/12
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