明治神宮大会2日目、明治大vs道都大の試合は、明治大が4安打、道都大が8安打を放ったものの、試合は4-0で明治大が勝利した。
1年生が先発
明治大はリーグ戦で先発を任されていた山崎福也投手でもなく、上原健太投手でもなく、1年生の柳裕也投手を先発のマウンドに送った。リーグ戦後の新人戦で3安打15奪三振完封をして一番調子が良いと判断されたのだろう。柳投手は期待に応え、横浜高校時と同様に140km/h前後のストレートを丁寧に低めに集める。ランナーを背負っても慌てずに打ち取り、5回を4安打5奪三振で無失点に抑えた。
対する道都大は2年生の金沢一希投手、旭川龍谷出身の左腕で高校時代は1試合22奪三振を記録すると、1年生で出場した昨年の大学野球選手権でも好投を見せた。この日は1回2回を無失点で立ち上がったものの、3回にランナーを出してから2番の高山峻選手に2ランホームランを浴びると、3回にも8番・坂本誠志郎選手に2ランホームランを浴びる。4回を投げて3安打4奪三振だったが、ライバルと見ていた同学年の2人にホームランを浴びて4失点で降板した。
明治大に立ち向かう
実力の差は感じている。スタメンのメンバーも甲子園常連高校出身で高校時代に一度は聞いた事のある名前が並ぶ。さらに投手も横浜高校の柳裕也投手から、日大三の山崎福也投手、関谷亮太投手、広陵の上原健太投手と名を馳せた投手が次々と登場する。対する道都大はスタメンは7人が道内出身の選手で、先発の金沢投手もリリーフした平田晃基投手も北海道出身だ。しかし平田晃基投手は4回を投げて、その明大打線に4四死球を与えるも1安打5奪三振に抑えて無失点に抑えて見せた。高校野球では無名の白老東高校出身だが、146km/hを記録しその実力でプロ複数球団から注目された投手だった。
この日は最速144km/h、制球は良くないものの投げっぷりで勝負する右腕は、全国の舞台で好投できるまで伸びていた。この投球で一皮向けると思う。
監督は不満
試合は4-0で勝利した明治大、しかし、2年生の2番打者と8番打者の2発によるもので、全体では4安打しか記録できなかった。ドラフト会議で北海道日本ハムに3位指名された岡大海選手もノーヒットに終わり、善波監督は岡選手に「だらしなさ過ぎる」と苦言を呈した。監督の不満は、この日リリーフした投手陣にも原因はある。エースで2番手で登板した山崎福也投手は2安打されて1失点、関谷亮太投手は2回を1安打無失点に抑えたが、抑えで登板した上原健太も1回無失点も1安打を許した。
もっと実力差を見せ付けてよい素質を持っている投手達だが、亜大・山崎康晃投手のような迫力は無く、アピールという点では目立つものは無かった。
明大が2年生コンビの一発で試合を決めた。3回1死一塁、高山が2球連続でバットを折られた後、右翼席へ先制2ランを運んだ。「内角を攻められて2本折られたけど、打った瞬間行ったと思った」と、その内角直球を仕留めて満足げ。さらに4回1死二塁、坂本が「バットの先で入ると思わなかった」と自らも驚きの左越え2ラン。2年生2人で全4得点を挙げ、高山は「同級生で切磋琢磨(せっさたくま)して、いいライバルになっている」と要因を話した。
「神宮大会男」が一発を放った。0―0の3回に2番・高山が右翼席に先制の2ラン。「あのときも初戦だったので良かった。高校の時は日本一になったので」と試合後は3年前を思い出していた。
日大三2年時に同大会の高校の部に出場。初戦の北海(北海道)戦で、3年前と同じ0―0の3回に先制2ラン。しかもほぼ同じ場所に叩き込んだ。勢いに乗った日大三は初優勝。高山の一発は2年ぶり6度目の優勝を目指す明大にとって吉兆といえる。
内角を攻められファウルでバットを2本折った後だった。全て直球の8球目、132キロの内角球を振り抜いた。3年前も内角球をスタンドに運んでいた高山は「リーグ戦と違ってデータのない相手なので、先制点が大切と思っていた。日本一を目指してやっている」。当時を再現したかのような本塁打の次に狙うは、もちろん優勝の再現だ。
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