明治神宮大会では大学の部の決勝戦が行われ、4冠を目指した青山学院大が慶応大に敗れた。下村海翔投手が押し出しの四球を与え、常広羽也斗投手は犠飛を許した。
最後のドラフト1位リレー
下村海翔投手と常広羽也斗投手のリレーは、リーグ戦に何度も見られていたが、この日は一番悔しいリレーとなった。
0-0の6回に下村投手が登板すると、まだ本来の調子ではなかったものの、130キロ中盤のカットボールで打たせて取り、7回までの2イニングをそれぞれ三者凡退に抑えた。しかし8回、味方の連続エラーで1アウト1,2塁となると、そこからストライクが入らなくなる。抜群のコントロールの下村投手に初めてに近い感覚だった。
試合後に「ゼロに抑えようという思いが強すぎたというか。今までもピンチは何百回、何千回と多分経験しているけど、こんなにストライクを1つ取るのが難しいと感じたことはなかった」と話したこの回、2者連続でストレートで四球を出し、押し出しで先制点を与える。続く広瀬隆太選手の打席でも初球にボールとなり、安藤監督が慌てて常広投手への交代を告げた。
「勝つためには自分が降りることが最善だと思いました」と交代を受け入れた。2回1/3でノーヒット3奪三振2四球で2失点が大学最後の投球となった。「最後の最後で弱い部分を見せてしまって。ここでチームを助けられなかったのは、一生忘れることはないと思う」と話した。
リリーフした常広投手は、前日に142球を投げて完投していた。マウンドに登ると1アウト満塁の場面、そして相手は大学NO.1のホームランバッターだった。力強い球を投げ込んだものの、ライトに犠牲フライを許して2点目を与えた。それでもこの回をこの1点に抑えると、9回も無失点に抑え、1回2/3を投げてノーヒット2奪三振1四球で無失点、150キロを記録する力のある球を投げた。
常広投手は「泣くかなと思ったけど」と涙を見せず、やり残したことはないと話す。そして、「四球を少なくして球速を上げ、プロ野球選手らしくなって神宮に戻ってきたい」と話し、次は広島のエースとして1部で3年間投げ続けた思いの残る神宮球場の戻ってくる事を誓った。









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