仙台六大学野球春季リーグは、昨年の大学日本一である東北福祉大が3季連続、通算79度目となるリーグ制覇を果たした。先発マウンドには、今秋のドラフト候補に挙がる最速155キロ右腕・猪俣駿太投手(4年=明秀学園日立)が立ち、9イニングを投げ抜き、1失点の完投勝利。開幕から無傷の5勝目をマークした。
昨秋の停滞を乗り越えて精神的進化
猪俣駿太投手は最終回に1点こそ失ったものの、冷静さを失わずに完投し、優勝の瞬間は右手の拳を高く突き上げ、駆け寄るナインと喜びを分かち合って強く抱き合った。しかし、「もともと最初から日本一が目標なので、まだまだ通過点です」と語り、リーグ優勝という結果に安堵しながらも、それほど強い喜びを爆発させなかった。
猪俣投手は2年春にリーグ戦デビューして以降、同秋には防御率0.77、3年春は5戦全勝で同0.66をマークするなど安定した結果を残してきた。そして昨春はチームが大学日本一に輝いた。しかし、昨秋は6試合に登板して防御率4.11と苦しんだ。「気負いすぎたというか、自分が抑えなきゃという気持ちになりすぎていましたので、もっと仲間を信じて投げるべきでした」と話す。
中日・桜井頼之介が残した「安心感」を外に。絶対的な存在への誓い
昨年は櫻井頼之介投手というエースが存在した。「チームメートはもちろん、監督からも信頼されていました」と、ドラフト2位で中日に指名され、早くも1軍で活躍を見せている偉大な先輩の背中を追う。
そして今春はエースとしておおきな背中を見せることができた。「周りを見られるようになったのが1番です」と話し、仲間への強い信頼がマウンドでの冷静さを生み出した。「自分が引っ張らなくてはいけない思いもありつつ、全員で野球をやりたいという気持ちが根本にあるので、『野手が点を取ってくれる』『後ろの投手陣につなぐ』という考え方になりました」という言葉通り、独りよがりではない大人のピッチングが、今春の無傷の5勝目へと結実した。
1番・多田羅浩大と2番・高岡新時が計3得点! 脅威の上位打線がエースを好援護
猪俣投手の力投を強力にバックアップしたのは、この日もさく裂した強力な上位打線だ。1番を務める多田羅浩大外野手(3年=智弁和歌山)と、2番の高岡新時内野手(4年=龍谷大平安)のコンビがこの日も3得点を叩き出した。初回に2人で鮮やかに先制点をもぎ取ると、8回には多田羅選手が中前打で出塁し、続く高岡選手が右翼スタンドへと突き刺さる貴重な2ラン本塁打を放ち、試合を決定づけた。
今年も東北福祉大が大学野球選手権でその実力を見せつけることだろう。
【猪俣 駿太】 プロフィール
- 氏名: 猪俣駿太(いのまた・しゅんた)
- 所属: 東北福祉大学(4年)
- 出身: 福島県(明秀学園日立高卒)
- ポジション: 投手
- 投打: 右投左打
- 主な特徴や実績: 最速155キロを誇る本格派右腕。2年時からリーグ戦で活躍し、今春は先発として無傷の5勝、1失点完投でチームを3季連続優勝に導いた。仲間を信じる冷静なマウンド捌きが武器の2026年ドラフト候補。








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