広島カープ、スカウトのこだわりでセリーグ圧勝王手

日刊スポーツの野球の国から2016、この日は広島一筋53年、苑田聡彦スカウト統括部長の話が掲載されている。その中で苑田氏は「一番いい選手だから取るという気はないんです」と話し、最近のスカウトの流れと違う部分を見せた。

一番いい選手

北海道日本ハムは2000年代中盤より「その年の一番いい選手を指名する」という方針を決め、田中将大投手、中田翔選手、大谷翔平選手、菅野智之投手、有原航平投手などを指名し、抽選や入団拒否などで獲得できなかったとしても、獲得できた選手が中心となり毎年優勝争いをするチームになっている。このことから横浜DeNAの高田GMなども「その年一番の選手」という事をたびたび口にする。

その中で広島の苑田スカウト部長は「一番いい選手だから取るという気はないんです」と話し、その年の目玉選手を単純に狙う戦略はとらないという。スカウト会議では松田オーナーも出席して行われ、チームの補強ポイントを明確にし、その選手を獲得する。例として現在のチーム状況では菊池選手、田中選手の守る二遊間は今年選手を獲得しても「10年間は試合に出られない可能性もある」と話し、現状では投手、捕手を優先し、内野手ならは将来性のある高校生の指名をする。「飼い殺しはうちは絶対にない」と話した。

もちろん北海道日本ハムや他球団もチームのポジション別世代表は見ているし、補強ポイントを明確にしてやっているが、その割合が広島カープは高いという事だろう。

注目するのは格好

また注目をする選手について苑田氏は「バランスを見ます。ユニフォームの着こなし方から、走り方、スイング、格好いい選手がいいんです」と話し、ホームランや三振は関係ないという。専修大では2部リーグで投げていた黒田博樹投手も「後姿が格好良かった」と目をつけ、その後に投球内容を見て指名を決めていった経緯を話している。

またスカウトが指名した選手に惚れぬいているのが分かる。指名した選手について翌年のキャンプでスカウトからコーチ陣の特徴や将来性などが伝えられるが、選手を惚れていなければスカウトの想いまでは伝わらないし、不安な様子を見せるとコーチ陣もその点が気になってしまうだろう。心底惚れてその想いをコーチに伝える事で、コーチもその想いを汲み、そして選手を信頼して育てる事になる。これは外国人選手の補強も一緒なのだろう。

カープのドラフトを見ると、2006年の前田健太投手の指名が大きかったが、個人的には2009年の今村猛投手、堂林翔太選手の指名あたりからチーム状況が変わり、2011年のドラフト1位・野村佑輔選手、ドラフト2位・菊池涼介選手、2012年ドラフト2位の鈴木誠也選手、2013年の大瀬良大地投手、九里亜蓮投手、田中広輔選手の指名が優勝への決定打となったのではないかと思う。

いずれにしても他球団からの有力選手の補強はなく、黒田投手、新井選手のベテランを活かし、ドラフトでチームを作り、外国人補強で整えた広島カープがセリーグを圧勝する事になる。

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野球の国から2016「俺とカープ」③ 日刊スポーツ紙面 2016/9/8

 


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