高校野球界屈指の強豪、仙台育英高校に新たな戦力が加わりそうだ。冬に急成長を遂げ、ブルペンで最速150キロを計測した尾形陽聖投手（3年）が春季宮城大会で公式戦デビューを果たし注目されるが、社会人野球に進みたいと話す。
2年まで公式戦登板無し
今春の中部大会で背番号1をつけて初のベンチ入りを果たした尾形陽聖投手は、昨年まで公式戦での登板はなかった。それでも185cm80kgの体格から昨秋まで143キロの速球を投げており、この冬は「3年生で絶対にメンバー入りするという一心で練習に取り組んできました」とトレーニングを重ねてブルペンで150キロを計測、背番号1を勝ち取った。
大会では東北学院戦で公式戦デビューを飾り、緊張はなかったと語る尾形投手は、武器である直球を中心に投げ込み、1回を1安打2奪三振で無失点に抑えた。「投球内容は課題もありましたが、0で抑えられたのは収穫になりました。1イニングの大切さや、1球の大切さを改めて感じました」と初マウンドをかみしめた。
この急成長の尾形投手には須江航監督もその成長ぶりに注目し、「ストレートが強くなり、変化の精度も上がりました。緩かったスライダーも球速が上がり、空振りが取れるようになりました」と話す。ストレートだけでなく、変化球全般の精度も向上しており、尾形投手はその日の最速をツーシームで計測することもあるといい、須江監督も「真っすぐだけではなく、動かしながらでも強いボールを投げることができるピッチャーです」と、特徴について話した。
最後の夏、社会人野球へ向け突き進む
尾形陽聖投手は、高校入学当初から「レベルが高い場所で競争を制して、甲子園で活躍したい」という強い決意を持っていた。2年まで戦力となることはできなかったが、その心は折れずにこの春に花開こうとしている。こうなってくるとプロも注目をしてくると思うが、卒業後、社会人野球チームでの野球継続を希望していると話す。
「夏まで残り少ないので、ストレートのキレを上げて、自分の武器をさらに磨いて、勝利に貢献していきたいです」と話す尾形投手、これまで積み重ねた時間を夏までの3ヶ月で一気に爆発させ、夏の甲子園出場を果たして自らの力で道を切り開いていく。
尾形陽聖投手 プロフィール
- 氏名: 尾形 陽聖（おがた ようせい）
- 所属: 仙台育英高校 3年
- 出身: 宮城県気仙沼市
- 生年月日: 2007年（平19年）10月31日（17歳）
- 経歴: 面瀬小学校野球部（小学1年～）- 面瀬中学校（軟式野球部）- 仙台育英高等学校（3年春地区大会ベンチ入り、背番号1）
- 身長・体重: 185cm・80kg
- 投打: 右投右打
- 最速: 150キロ（ブルペン計測）
- ポジション: 投手
- 特徴: 仙台育英高校の長身右腕。冬に急成長し、ブルペンで最速150キロを計測。ストレートと変化球の精度が向上。今春初のベンチ入りを果たし公式戦デビュー。社会人野球での継続を希望。
- 好きなプロ野球選手: 今井達也（埼玉西武）
コメント