第78回春季高校野球関東大会の決勝戦が千葉県総合SC野球場で行われ、横浜高(神奈川1位)が13対3で浦和学院高(埼玉1位)を下し、2004年以来22年ぶり7度目の優勝を果たした。この試合の9回裏、今秋のドラフト1位候補に挙がる最速154キロ右腕の織田翔希投手(3年)が登板すると、自己最速タイの154キロをマークするなど、150キロ超の直球を連発する圧巻の投球で1回を1安打無失点に抑え、胴上げ投手となった。
浦和学院高を圧倒した攻撃と機動力、横浜高が13得点大勝で22年ぶりV
春の関東王者を決める決勝戦は、横浜高の圧倒的な攻撃力と、元捕手である村田浩明監督が率いる巧みな機動力が光る展開となった。初回、1番打者を務める小野舜友選手(3年)が右翼へ先制の先頭打者本塁打を放ち、幸先よく先制すると、4回には打線が繋がりを見せて一挙5得点を奪い、試合の主導権を握った。
その後も横浜高の勢いは止まらず、5回には四死球と相手失策で無死満塁の好機を作り、田島陽翔選手(2年)が中前へ2点適時打を放つなど、着実に得点を重ねた。浦和学院高は、プロ注目捕手である4番の内藤蒼選手(3年)が2安打を放つなど意地を見せるも、守備面での隙が失点となった。
「重しを取ろう」村田浩明監督の一言でエース・織田翔希投手が覚醒
そして10点リードの9回にエース・織田翔希投手がマウンドに上がった。今季はやや不調で、リリーフでも失点する場面もあり、織田投手自身も「迷路に迷い込んでいたような形だった」(サンケイスポーツ)と苦しい心境を明かした。また、県大会や関東大会では、指揮官から「直球は外角のみ」「直球は内角のみ」という細かい投球のテーマが与えられ、それをクリアするために苦戦も強いられた。
しかし、遊撃手と投手の二刀流でプレーし、150キロの速球を投げる池田聖摩選手(3年)の姿を見て、村田監督は織田投手に「スピードガンにこだわってもいいから。重しを取って投げよう。全球真っすぐでもいいよ」と、この日は自由に思い切り投げる事を伝えた。
この言葉によって吹っ切れた織田投手は、マウンドを楽しむ本来の姿を見せると、初球に153キロを計測してスタンドをどよめかせる。そして、2人目の打者への初球には自己最速タイの154キロをマークするなど、投じた10球の直球のうち、実に9球が150キロを超える異次元の球威を見せた。最後は、現役時代に名捕手として涌井秀章投手(現中日)とバッテリーを組んでいた村田監督から直伝された、「涌井式カットボール」で捕邪飛に打ち取り、マウンド上で両手を突き上げた。2004年に村田監督が主将・捕手として優勝して以来、22年ぶりとなる春季関東王者の頂点に立つ快投となった。
世代No.1右腕
マウンドで最高の笑顔を見せた織田投手は「一つ(肩の)力が抜けて、『これだったんだ』って自分を見つけられた。迷路に迷い込んでいたような形だったので、すごく良いアドバイスをいただけた。一球一球、最大限で投げていたんですけど、本当に楽しかったです。今の状態としてはいい形で投げられたんじゃないかな」と話し、吹っ切れた顔で笑顔を見せた。村田監督も「(球が)うなっていましたね。楽しんで投げていましたもん。やっと笑顔が戻ってきた。高校生なんだなーって思いましたね」(日刊スポーツ)と話した。
春の大会制覇という目標を果たし、いよいよ最後の夏に向けた期間が始まる。154キロ右腕の織田投手が最後の夏にどのようなスタイルの投手となって臨むのか注目される。
【織田 翔希】 プロフィール
- 氏名:織田翔希(おだ・しょうき)
- 所属:横浜高校(3年)
- 出身:福岡県北九州市(北九州市立足立小学校・足立クラブ - 北九州市立足立中学校・軟式野球部出身)
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:185cm、75kg
- 主な特徴や実績:自己最速154キロ。1年春から名門・横浜高の主戦格として活躍。2024年秋季関東大会優勝、第55回明治神宮大会優勝などの実績を誇る。3年春の関東大会決勝(浦和学院高戦)で自己最速タイ154キロを記録し、全13球中9球で150キロ超えを計測して胴上げ投手となった。投球制限の苦悩を乗り越えて「楽しむ投球」を取り戻した、世代No.1の呼び声高い2026年ドラフト1位候補右腕。















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