2年連続2度目の甲子園に戻ってきた静岡・聖隷クリストファーの最速150キロ左腕・高部陸投手(3年)が、8月3日の甲子園練習で353日ぶりに聖地のマウンドに立った。「わくわくしている気持ちが強い。マウンドから見た景色で去年を思い出した」と笑顔を見せた左腕は、変化球を1種類から5種類に増やして進化。6日の初戦・佐野日大(栃木)戦へ「万全で臨んでゼロに抑えたい」とゼロ封を誓った。
353日ぶりの聖地、成長した姿でリベンジへ
昨年8月15日の2回戦・西日本短大付戦以来となる甲子園のマウンドを踏んだ高部陸投手は、「すごくワクワクした。マウンドからの景色を見て昨年を思い出した」と1年ぶりの雰囲気を味わった。わずか15分ほどの練習だったが、約10球を投じてグラウンドの感触を確かめた。「甲子園は本当にストライクが入るんで。いい感触でした」と手応えを口にした。
昨年は2年生エースとして、1回戦・明秀学園日立(茨城)戦で1失点完投勝ちを挙げ、一躍全国に「高部」の名を知らしめた。しかし2回戦で敗退し、悔しさを味わった。今年は静岡大会で全6試合を投げて連覇を達成し、甲子園に戻ってきた。持ち味の最速150キロの直球に加え、「去年は真っすぐとスライダーしかなかったが、今年は変化球を増やした。特にカーブは緩急をつけて幅を広げられる。周りが自分にスライダーのイメージを持っていることを利用して勝負していけたら」と、1種類から5種類に増えた球種に自信をのぞかせた。
“四天王”織田の剛速球に刺激、恩師へ快投誓う
聖隷クリストファーの直前には、横浜が甲子園練習を行っていた。高部投手は、ともに昨夏「2年生四天王」とうたわれた最速157キロ右腕・織田翔希投手の投球練習を、ファウルゾーンから見つめた。「速さが圧倒的」「すごい球を投げていた。あのスピードは魅力的」と刺激を受けた。4月の侍ジャパンU18日本代表候補合宿では、織田投手や沖縄尚学・末吉良丞投手ら同世代の好投手と交流も深めてきた。前日の抽選会では、その織田投手と末吉投手の対戦が実現。「すごく面白そう」と興味を示しながらも、「でも、その前にうちの試合があるので、まずは、そこに集中して勝ちたい」と、あくまで自身の初戦に照準を合わせた。
今春から指揮を執る田中公隆監督(52)は、大黒柱への信頼を隠さない。「本人の向上心がかなり高く持っている子。一つ一つ取りこぼすことなく、ここまで努力してきた結果です。チームのために、を貫いてやってきてくれています」と目を細めた。就任後初采配で甲子園に臨む指揮官に、初勝利を届けるつもりだ。
初戦は佐野日大戦、鈴木有を攻略しゼロ封目指す
初戦の相手は、大会第2日の6日午後6時半から対戦する佐野日大(栃木)だ。今夏の栃木大会では準決勝までの4試合をすべて完封し、決勝でもタイブレークの延長10回、逆転サヨナラ2ランで国学院栃木を5―4で下して16年ぶり7回目の甲子園出場を決めた強豪。主戦の右腕・鈴木有投手(3年)は最速142キロで、制球力を武器とする。
高部投手にとっては、昨夏2回戦敗退のリベンジとなる。県大会後は準決勝、決勝の連続完投の疲れを考慮して軽めの調整を続けてきたが、大阪入り後にブルペンで本番モードへと入ってきた。「粘り強い投球で勝利につなげたい」と鈴木投手擁する打線を封じる決意を口にする。「甲子園で笑顔でプレーする姿を、チームのみんな、いろんな人にも見せて、チームの雰囲気を作りたい」。トレードマークの笑顔と進化した5種類の変化球を武器に、世代トップクラスの左腕が聖地で躍動する。
【高部 陸】 プロフィール
- 氏名:高部陸
- 所属:聖隷クリストファー高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:最速150キロの直球を持ち味とする世代トップクラスの左腕。昨夏は2年生エースとして甲子園1回戦・明秀学園日立戦で1失点完投勝ちを挙げ、全国にその名を知らしめた。今年は変化球を1種類から5種類に増やし、特にカーブで緩急をつけて投球の幅を広げた。制球力と最速150キロの直球に加え、キラキラした笑顔で観客を魅了する。静岡大会では全6試合を投げ抜いて連覇を達成しており、甲子園でのゼロ封と勝利が期待される。













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